エルダー2025年2月号
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とを考えており、どんなスキルがあるのかなどを含め、マッチングが非常にむずかしいですね。そこはシニアの戦力化の面で悩み、考えながら進めているところです。神山 当社は再雇用制度を2001年から実施しています。ジョブ型がうたわれる前の2017年ごろから、シニア社員にはジョブを提示して選んでもらっているので、その走りだったと思います。また、当社は役職定年を設けていません。最近、ごく少数ですが、60歳以降にも現役世代と同じジョブ、同じ役割を提示して、賃金もそのままという人も出てきています。現役世代のジョブ型がもっと進めば、今後のエイジフリーに向けた議論も前進するのではないかと考えています。今野 前の人がそれを追っている、ということですね。神山 はい。会社がジョブを提示して、本人がジョブを選んで、そのジョブに応じて契約をする、という意味では「ジョブ型」といえると思います。廣川 われわれは、ザ・製造業でして、労働力不足はきわめて深刻な状況になりつつあります。そうしたなかで、役職定年をゆくゆくは廃止したいと考えていますが、一方で65歳定年にして、選択定年を維持していきたいと思っています。一つのけじめとして定年はありつつも、処遇としてはエイジフリーを目ざしたいと考えています。谷 当社でも、ジョブ型については高齢社員から先行して行ってきました。ただし、やはり悩ましいのは、会社から本人に提示するジョブが松・竹・梅とあったときに、梅が提示される人というのは、本人が望まないかぎり、非常にショックなわけです。それを提示する側もむずかしくて、本人のスキルと、そのポジションを考えた場合に、提示が非常にむずかしいケースも起こるので、会社として、いかにこのポジションを受けてもらわないといけないのか、もしくは、ほかの活躍機会があるのかを提示する必要があります。本人からすると、自分はどういったことができるのかをきちんと示さないと、会社から提示を受けるジョブのレベルが低くなる可能性があります。今野先生が基調講演でお話しされた「覚悟が問われる」というのは、会社側も本人側もあるなと思います。今野 アまで含めてシームレスな人事管理をしようとするとジョブ型しかないと思いました。したが、ジョブ型の人事管理が機能するには、その意味について社員がしっかりと腹落ちしないといけないので、社員とのコミュニケーションが重要だと思います。は、自分のキャリアは自分でつくるのだというマインドセットをつくっていかないと、上手に職業生活は生きていけないので、企業もそれに対して積極的に支援をするということが重要だと思います。常に印象に残ったので、最後のまとめにさせていただきます。先にシニアがジョブ型となって、60歳以本日3人のお話を聞いて、第一に、シニ第二に、3人の方が共通して強調されていまさらに、社員はジョブ型の人事管理のもとで今日の3人のご意見を聞いて、この三つが非2025.222三菱マテリアル株式会社 人事労政室 室長 廣川英樹氏

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