役職定年の特例とシニア用役職名を廃止年齢にとらわれず活躍できる環境を整備おいては、65歳定年後、会社に残る選択をする社員は5〜6割程度となっています。次に役職定年制の廃止について詳しくお話ししたいと思います。2013年度に65歳定年にした際に初めて役職定年を導入しました。60歳に到達した年度末で、原則として役職定年になるルールとしていました。残りの5年間は社員ではありますが、いわゆるシニア社員という形で、別体系の人事制度のなかで処遇されていくという仕組みをとっていました。例外的に役職定年後も同等の処遇を維持する「理事」と「シニアマネージャー」のコースを設けていましたが、多くは後進の指導や技能伝承を主業務とする「メンター」コース、一担当者として現場で活躍する「プレイヤー」コースで処遇していました。これを2022年度に見直し、理事・シニアマネージャー制度を廃止、また先ほどの説明の通り2本立ての処遇体系を一本化しました。決断の理由として、優秀なシニア人財の流出を抑止したいこと。それから、60歳を境に処遇の低下とともに下がっていたモチベーションの維持。最後に採用競争力の強化です。じつはこれが大きいと思っています。「大和ハウスは60歳以降も、年齢に関係なく活躍できる会社ですよ」ということを世の中に打ち出すことによって、他業種、他社のいろいろな経験、さまざまなスキル、高度なスキルを持った方を迎え入れたいというねらいもありました。2022年度の制度改定のときに、年齢だけを理由とした一律の役職は廃止しましたが、無条件に65歳まで役職に留まれるというわけではありません。むしろ、個別具体的に一人ひとり、役職を降りるタイミングが変わる制度にしています。また、シニア社員に独自に使っていた役職呼称なども、そのときに廃止をしました。当然、60歳以降であっても、ポジションが上がったり、昇格したり、評価が上がれば、処遇が上がる余地も残しています。年度の導入時は、一律の処遇にして、週休3日・週4日勤務に、報酬についても月額20万円に固定としていました。社員のニーズが多様化するなかで2023年度に制度を一部見直して、働き方の選択肢を拡充しました。週5日の勤務で報酬は職務内容に応じて、22〜35万まで幅を設ける「現役同等コース」を新設しました。ただし、こちらは、職種を限定し、現業の技術職が対象です。ここまで制度面についてお話ししてきましたが、本当の意味で生涯活躍できる会社になるためのキーワードは「キャリア自律」だと考えています。つまり、会社がよい制度を設けても、その制度にぶら下がって、あとは安泰という社員が増えてしまっては、逆にその制度が維持できなくなってしまうわけです。長く働く以上はやはり社員一人ひとりがキャリア自律の意識を持って、つねに自分を磨き続けてもらいたいとメッセージを発信していかなくてはいけないと思っています。ンセプトを掲げています。これは「事業を通じて人を育てる」という社是の精神に則り、あらゆる社員が年齢や属性に関係なく、つねに学び続け、成長し続ける、それが本人の夢、会社の夢、パーパスの実現につながっていくという世界観を表現しています。社員のキャリア自律をうながしていくために、日常の上司・部下の「1on1」を通して、ときにはキャリアについても語り合う対話の場を設けています。が自己のキャリアを自律的に切り拓き、成長し続ける。私たち人事部門としても支援や、後押しをしていきたいと考えています。i,Gii,i,i Learnng「KeepGrowng私たちは人財育成ポリシーとして「KeepandDreamng.」というコLearnngrowng」の精神で、社員2025.22865歳以降の再雇用制度については、201565歳以降を活き活きと生涯活躍するためには★ 同社の取組みについて、本誌2024年7月号の「マンガで学ぶ高齢者雇用」で紹介しています。 https://www.jeed.go.jp/elderly/data/elder/book/elder_202407/index.html#page=34
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