エルダー2025年2月号
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役職定年制の廃止は若手のやる気を削がない運用が大切生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム令和6年度「役職定年見直し企業から学ぶシニア人材の戦力化」パネルディスカッション年齢による画一的な役職定年制の廃止と影響大木 今回のテーマである役職定年制については、「廃止」がキーワードになるかと思います。ポストオフの工夫や悩み、課題について、まずは株式会社リコーの中村さんからお聞かせください。中村 事例発表では「役職を外すには適所適材で」とお話ししましたが、そこが一番の課題です。若手登用をふまえた柔軟な配置ということで、制度を導入してから2年半が経ち、わりとよく進んでいます。ただしいま現在、役職に就いている人のポストオフはむずかしい問題です。制度のなかでよりよい人材を選出するとしても、現在の役職者もミスなく活躍しているというケースもあります。「役職者の社内公募をやや強制的な形で実施してみる」というアイデアレベルの話があり、例えば57歳という従来の役職定年の年齢から3年などの任期を決めて、任期が終了したら公募するという話を現場としているところです。大木 ありがとうございます。続いて大和ハウス工業株式会社の菊岡さんはいかがでしょうか。菊岡 たしかに役職定年は、自分自身がキャリアを深く考えなくても、ある意味平等にゴールが見えてきます。一方でそれを廃止したとしても、だれしもいずれはポジションから降りるときは来ます。すると一人ひとりがポストオフを考えることにもなるし、それぞれが評価されて決まることにもなります。ここに、会社が一歩ふみ出していくためには、評価の仕組みをいままで以上にきちんと整えたうえで、また、自分のキャリアをしっかり考えてもらう環境を整備していかなければいけないと思っています。て、若手のやる気が損なわれる」といわれますが、これは導入時に一番避けたいところでした。いかに、ふさわしい人に残ってもらい、そうでない人には降りてもらう運用をしていくかが、非常に重要になると思っており、今後の課題として認識しているところです。大木 工業株式会社の佐治さんはいかがでしょうか。佐治 ル化がされていれば、本人の覚悟もあるでしょうし、それぞれの組織で準備もします。それがまた、「役職定年の廃止によって上が詰まっありがとうございます。では、ダイキン一定の年齢でポストオフすることのルー 2024年10月25日開催31★  「令和6年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム」パネルディスカッションは、JEEDのYouTube公式チャンネルでアーカイブ配信しています。 こちらから、ご覧いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=AaJ5fI6gMOg特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅠ〜

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