エルダー2025年2月号
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配置転換(ローテーション)はなお必要な経験を積む仕組み若手の管理職登用における具体的な目標や基準の見直しが約2000人おり、全員まとめて研修を行うのはむずかしいので、4年ほど時間をかけて、各人半年ずつのプログラムに参加してもらい、いわゆるマネジメントスキルをリスキリング、あるいはアップデートする取組みをしています。当然、制度が変わり定年も延びたなかで、マネージャーを務める期間も延びます。一方で、マネジメントから降りたシニアの部下を持っていたり、Z世代と呼ばれる若手も入ってきたりと、いままでの経験則に頼った通り一辺倒のマネジメントでは対応できません。やはり、時代の変化、人員構成の変化に合わせた、より多様性に対応できるようなマネジメントを身につけていかないといけません。いまのマネージャーはたいへんだと思いますが、そのための武器を再インストールしてもらうという取組みをしているところです。佐治 マネージャーになってからの教育は、数年前から2回に分けて、マネジメント力の向上のための研修を行ってきました。今回あらためて定年延長によって、部下が多様化し、若い部下と同時に、ベテラン層、自分より年上の、あるいは場合によっては以前自分の上司だった人が自分の部下に入ってくるようなこともあるでしょう。従来のマネジメントスキルについて考えるような研修だけでなく、直接的な指導力向上や、対話の仕方など、より日々の実務に直結するような何かを提供できるものがあればやっていきたいと思います。大木 役職定年制の廃止は若手の登用など、若手の活躍の場を広げていきたいという趣旨もあると思います。若手登用を意識した取組みについて教えてください。リコー式ジョブ型の導入にあたっては、いわゆる将来の経営人財育成に向けた早優秀な人材の昇格を早めるために、基準これまで日本の企業は、配置転換(ロー中村 若手の管理職への登用が少ない点を課題としていたので、若手の管理職比率の目標値を設定しています。いわゆる課長ポジションの管理職のなかで、30代の比率を上げることが目標です。導入前は2%程度でしたが、2年で10%超まで増えています。菊岡 期選抜のプログラムがあり、30代からスタートするコースをつくっています。こうした特別プログラムも大切ではあるのですが、あくまで各現場、各事業部門のなかで、若手を抜擢できる環境をつくっていくということが重要であると考えています。佐治 の見直しを行っているところです。現在トップの優秀層が30歳でなれるポジションについて、その基準を2年早め、20代でマネージャー登用を可能にしたいと思っています。大木 テーション)を行うことによって、さまざまなことを経験させて、人材を育てていくというやり方が一般的でしたが、このやり方は限界がきエルダー33ダイキン工業株式会社 常務執行役員 人事 担当 人事本部長 委嘱 佐治正規氏特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅠ〜

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