管理職研修、社内副業、技能伝承、各社の特徴的な取組み目で見て本人の希望をかなえられる人材育成ということにもつながりますし、リスキリングというのを切羽詰まって目の前の問題になってからやるよりも、長い目で見て、自らのキャリア形成を目的とした取組みとして推奨できないかなと思っています。大木 ここからは、個別に質問をさせていただきます。リコーの中村さんには、先ほど話に出た「マネジメントカレッジ」について、詳しくおうかがいしたいと思います。中村 マネジメントカレッジを始めたのは2021年度からです。各単元にテーマを設け「管理職とは」から始まって、「評価」、「ダイバーシティ&インクルージョン」など、3年間で7〜8個の単元を履修します。コロナの余波があったころにスタートしたので、リモートで実施しています。全管理職が一巡したので、2024年度の10月から単元を組み直してあらためて始めたところです。近年は、〝マネージャー次第〟という場面が本当に多くなっています。人事評価をして、それをフィードバックしていくことがとても重要なので、リスタートしたマネジメントカレッジでは、「評価とフィードバック」を単元の一番目に据えました。キャリア形成をするにしても、それから成長するにしても、いまどういう状態なのかを自己認識することが大切です。評価の結果を正確に、特に改善部分がある人に対して、いかにフィードバックしていくか。これが苦手な人が多いので、第一のポイントとして、最初の単元に設定し、レベルアップを図っているところです。大木 ありがとうございます。続いて、大和ハウス工業の菊岡さんには、「越境キャリア支援制度」についてお話をいただけますか。菊岡 「越境キャリア支援制度」は、いわゆる副業制度になるのですが、社外副業、社内副業など、いくつかのメニューがあります。導入して2年半ほどで、参加した社員はおよそ200人、社員全体の1〜2%程度です。参加者が経験したことを社内に発信していく仕組みもつくっており、これからもっと盛り上げていきたいと思っています。一つが「郊外型住宅団地(ネオポリス)の再耕」です。昭和の時代に、当社が郊外につくった大規模な住宅団地があるのですが、街も住民の方も年齢を重ね、さまざまな課題が生じています。そこで、その街を再び元気にするのも私たちの責任ではないかということで、さまざまな職種、事業部、そしてさまざまな年代の社員が手をあげてこれに参加しました。住民の方と対話しながらプロジェクトを進めています。おり、これまでつちかってきた経験を活かしています。事業をまたいで、年代をまたいで、さまざまなことを考える場として、うまく運用できているという実感があります。大木 そのなかで非常によかったなと思う取組みのこの取組みにはシニアの社員が大勢参加してありがとうございます。続いて、ダイキエルダー35株式会社リコー 人事総務部 C&B室 室長 中村幸正氏特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅠ〜
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