エルダー2025年2月号
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るのですね。店舗で働くPSの人たちは、それぞれどんな役割をになっているのでしょうか。竹岡 り、一店舗30人ぐらいの人たちが働いています。さまざまな役割があり、例えばメインの「麺打ち」という製麺の役割、お客さまから麺の種類やトッピングなど細かいオーダーを受けてレジまでの間に調理して提供する「湯煎」と呼ばれる役割などがあります。そのほかに天ぷらを揚げる人、おむすびをつくる人、洗い場、レジ、ホール担当など、全部で12の役割に分かれています。ですが、PSは雇用契約により異なる時給制で、個々の希望や状況に合わせて店長がシフトを組んでいます。店舗にもよりますが、朝から夜まで運営をしているので、2〜3交代制でシフトを組むことが多く、朝の仕込みを担当している人は昼のピークが終わるまで、昼から入る人は夕方まで、夕方から入る人は夜の閉店までといった働き方をすることが多いです。10年以上勤務している方は全体の8・5%おり、長年活躍いただいている方も多くいます。役割などによって時給は異なるのでしょうか。貴社が運営している「丸亀製麺」の店舗では、多くの高齢者が活躍されています。2023(令和5)年度からは、店舗スタッフの定年を70歳に引き上げるとともに、再雇用の年齢上限を撤廃されました。制度改定の背景やねらいについてお聞かせください。竹岡 丸亀製麺の国内約850店舗では、「パートナースタッフ(以下、「PS」)」と呼ばれるパートタイム社員が働いており、そのうち65歳以上が1264人、70歳以上が114人となっています(2024年11月1日時点)。また、PSに占める女性の割合は72%です。従来の制度では、正社員、PSともに定年は65歳で、PSの再雇用の年齢上限は70歳でした。丸亀製麺ではPSも店長になれる制度となっているのですが、65歳の定年になると、店長からも降りなくてはなりませんでした。当社では、社長の粟□田□貴□也□(株式会社トリドールホールディングス代表取締役社長兼CEO)と社員・PSが交流し、意見を聞く機会定年は70歳に、再雇用は年齢上限を撤廃年齢にかかわりなく活躍に期待各店舗には、店長と時間帯責任者がお社員の所定労働時間は基本的に1日8時間時給制ということですが、になっている―□□――  があるのですが、その意見交換の場で「店長として働き続けたい」という声があったのです。それをきっかけにPSの定年を70歳に引き上げ、70歳以降の再雇用は年齢上限のない制度に改定しました。高齢者といっても個人差があり、まだまだ若い方もいますし、健康寿命も延びています。元気な方には年齢に関係なく長く働いてもらいたいという思いがあります。また高齢者の方は人生経験が豊富で、お客さまに対する臨機応変な対応など、これまでの実績や経験を活かして活躍してほしいと思っています。店舗には高校生のアルバイトもいますが、世代を超えたコミュニケーションによって、指導や育成の面での活躍も期待しています。なお、定年の70歳までは店長を継続できますが、70歳以降は降りてもらいます。当然、役割も変わるので処遇も変わります。PSが店舗における中核的な役割をになってい株式会社トリドールホールディングス 人事部 部長2025.2265歳を超えても店長ということは、まさに竹岡由紀子さん

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