どもあり、これらの評価基準表はだれでも見ることができます」評価は年2回実施しており、さらに面談を年1回行っています。板垣社長または工場長が、評価基準表を見ながら個別に社員の現状を確認し、具体的に課題を伝えています。評価制度を見直して成果給を導入してから一年が経ち、社員の時給がどんどん上がっているそうです。「精力的に仕事をする人のなかには、そうでない人と比べて倍以上成果を出す人もいます。以前は、そういった場合でも時給の差は20円程度でしたが、新制度では120円ほどの差になります。評価基準を明確にしたことで、不公平感が解消され、年齢に関係なく個々のがんばりが評価されるので、社員のモチベーションアップにつながっています」(板垣社長)小林プランナーは「仕事に対するモチベーションが向上することで、高齢社員にとっては健康の維持・増進に対する意識が高まり、個人の健康管理の面でも向上が期待できるのではないでしょうか」と、その取組みを評します。同社の離職率が低い要因として、変則的な勤務に柔軟に対応する風土があげられます。「社員のみなさんにとって、仕事と自身の生活のどちらが大切かといえば、もちろん自身の生活だと思います。生活がしっかりできていなければ、仕事もきちんとできませんから、親の介護のための遅刻や早退など、家庭の事情がある人には、そちらを優先するよう伝えています」(板垣社長)数年前からは給与明細をデジタル化し、それぞれのスマートフォンで見られるようにしているとのこと。ただし、導入時にはたいへんな苦労があったそうです。「当初は、システムや仕組みの説明どころではなく、そもそも操作方法がわからないところからのスタートでした。いまでは社員全員が対応できるようになりました。事務部門にとっては業務の効率化につながり、負担が格段に減ったので導入して本当によかったです」(板垣社長)今回は、充填・包装ラインで元気に働くお二人にお話を聞きました。ない時期に入社しました。定年まではリーダーの役割をになっており、もう一人のリーダーと2人で力を合わせ、若手社員の指導をはじめ、職場のまとめ役を務めてきました。現在、一担当者に荻□島□英□子□さん(70歳)は、同社の創業から間も□□□戻って計量とヒートシール業務を担当していますが、ライン随一のベテランとして、新人に仕事に対する姿勢や作業のコツなど、教えられる範囲で伝えているそうです。「計量はアイテムによって原料が異なるので間違えないこと、重い・軽いといった軽過量を出さないことなどが大切です。また脱酸素剤の入れ忘れにも気をつけています。シールは内容物を噛み込んでしまうと完全には接着できなくなるので特に注意が必要です。ですが、たとえ小さなトラブルであっても、上司がすぐに対応してくれるので相談しやすい環境になっています」リーダー職を外れた後も、縁の下で支える介護などの事情を考慮し、変則勤務に柔軟に対応2025.24270歳を超え、現在は週3日の勤務となっていま新人に仕事のコツなども教える荻島英子さん
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