□□□るまでの17年間外国為替の仕事を続けました。銀行で定年まで勤められたのは幸せでしたが、働き続けたい気持ちは強く、ハローワークで仕事探しを始めました。しかし、なかなか結果が出ず途方に暮れていたとき、知人から「東京キャリア・トライアル65」を紹介され思いきって出かけていきました。話を聞いてくれた面接官には銀行のキャリアにこだわらず、何か新しいことをやってみたいという思いを伝えました。しかし、65歳の初心者を雇ってくれる会社などどこにもないだろうとあきらめかけていましたから、「経験がなくてもやる気があればよい」という設計会社を紹介してもらえたときは、本当にうれしかったです。ただ、設計会社ですから採用したい人材はCADのオペレータでした。いくら新しいことがやりたいとはいえ、CADはあまりにも未知の世界でした。パソコンもあまり得意ではない私の不安を払しょくするかのように、面接してくださった後□藤□研□一□社長は、「あなたにはまだ伸びしろがあるから大丈夫」とやさしく声をかけてくれました。まずトライアル期間の一カ月に教育のカリキュラムを組んでもらい、社長から直々に教育していただきました。図面の読み方もまったくわからない私に一生懸命に教えてくださるので、私は学生になったつもりで真摯に向き合いました。トライアル期間中は不安もありましたが、その都度社長が「わからなくてあたり前」、「できなくてあたり前」と叱咤激励してくれましたトライアル期間と会社の試用期間を経て、正社員として採用してもらえたときは本当にうれしかったです。なんとか乗り越えられたのは同期入社の同僚の存在も大きかったと思います。その人も私と同じく「東京キャリア・トライアル65」を利用して入社されました。なかなか仕事が覚えられない私が少しでも弱音を吐くと「年齢に甘えるな」、「勉強が足りない」などの言葉が容赦なく飛んできます。厳しいけれどとにかくCADが大好きな人なのでマニュアルをつくってくれることもありました。まさかこの年で新人の同期に出会えるなんて、とても幸せな気分でした。ます。私が銀行勤務時代、フルタイムを自ら希望したことや、65歳を過ぎても働くことを望んだのは働き者の母の影響かもしれません。会社は社長の考えもあり半数がシニアですし、現役で働く風土が醸成されている会社で、私も長く働かせてもらって社長に恩返しをしたいと、資格取得にもチャレンジしています。現在は第二種電気工事士という国家資格の取得を目ざしており、もうすぐ技能試験があるので緊張しています。ドライバーぐらいしか持ったことのない私が電気工事士の資格取得を目ざしているのです。人生はじつに愉快です。を鍛えることには興味があります。週2回ほど、終業後、ヨガの先生のもとに通い心身をメンテナンスしています。会社の若い人たちとの会話もリラックスに役立っています。若い人とつき合うときに自分にいい聞かせているのは、「年齢に甘えない」ということです。もあり、孫との時間は元気の源です。人は元気なかぎり働き続けることがあたり前であり、いまもなおフルタイムで働けることに感謝して、より豊かな明日を迎えたいと思います。母は96歳になり、郷里の宮崎で暮らしていこれといった趣味もありませんが、心や体土日には息子から孫の世話を頼まれること背中を押してくれた人との出会い同期とともに励まし合い生涯現役を夢みて村井さんが社長に面接された際、「伸びしろがある」といわれて目からうろこだったそうだが、会社には60歳以上を対象にした「伸びしろの会」があるとのこと。人は成長するということを信じてやまない後藤社長の発案である。エルダー4575歳以上の社員も元気に働いています。生涯高齢者に聞く
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