2025.38られても仕方がないと思う方は一定割合いるのですが、女性は男性に比べると少ないのが特徴的です。ミドルシニアの職業生活に対する満足度続いて、現在の職業生活に対する満足度についてです。特徴的なのは、「仕事を通じて自分は成長している」と感じているミドルシニア男性は約3割しかいないことです。先ほど、「ミドルシニアの男性は年齢を経ても働く意欲は高い」とお話ししましたが、自分の能力やスキルを活かしたいという人は多くいても、職業生活において満足感を感じている方は非常に少なく、いい換えれば、「活躍の場が少ない」ということなのではないかと感じています。一方で、現在の私生活に満足しているミドルシニアの男性は4割ほどで、あまり高くはないといえます。特にミドルシニアの男性は、趣味、居場所、あるいは友人が少ないことも明らかになっています。今後残された人生のなかで、これからの職業生活をどう歩んでいくかは重要な課題ですが、私生活をどう生きていくかも、男性にとっては課題になっていくだろうと感じています。労働やハードワークができなくなることから、誤解をされてしまうのではないかと感じています。続いて、ミドルシニアの女性について見ていきましょう。「出世、昇進のために働くことが重要だ」と考えている人は、就職活動時点でも、アンケート回答時点でも1割程度と、非常に少ないという結果が出ています。ミドルシニアを調査対象にしているところもあり、男性に比べて、出世・昇進に対する意欲が非常に低いようです。一方、内的報酬欲求は、特に「自分の能力やスキルを活かすために働くことが重要」だと考えている人が、4〜5割弱となっています。これは就職活動時点とアンケート回答時点とでも同様です。女性が男性と少し異なるのは、「自分の能力を活かしたい」と思う人が就職活動時点より増えている点です。年を取ると、よく「女性のほうが男性よりも元気になる」という話を聞くことがありますが、データにも示されていると感じています。次にハードワークに対する許容度合いです。女性でも年齢を重ねるとハードワークをきついと感じるのか、就職活動時点と就職後を比べると、1割ほど減っています。ただし、男性では比較的、就職活動時点から仕事以外の時間が削は、就職活動時点で約6割です。就職後もその数字は大きく変わっていません。「年齢を経ると仕事に対する意欲が低くなる」といわれることもありますが、データを見ると、若いときとモチベーションは変わらず、「やりがいのある仕事をしたい」、「自分の能力を活かしたい」という思いを持っている人が非常に多いということがわかります。次に、ハードワークに対する許容度合いです。これは「ワーク・ライフ・バランスへの志向」に読み替えるとわかりやすいかと思います。「やりたい仕事であれば、仕事以外の時間が削られても仕方がない」と思っている人は、就職活動時点では、「長時間労働にも耐えられる」、「将来に向けて、さまざまなことを学んでいきたい」といった志向の人だと思いますが、半数近くと比較的多くなっています。ただし、年齢とともに体力も落ちてくるので、現在もハードワークを許容している人は約3割と非常に少なくなっています。ハードワークに対する許容度合いをふまえると、「年齢を経るとハードワークはしたくないが、やりがいのある仕事をしたいという人の比率は、変わらず高いままである」という状況が見えてきます。一般的に「年を取るとやる気がなくなる」といわれる方は多いですが、長時間
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