エルダー2025年3月号
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11特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜エルダー能力開発方針のもと人材育成に注力ベテランエンジニアが長く活躍当社は、「人間の苦役からの解放」を目ざし、1906(明治39)年に創業者である山やま口ぐち武たけ彦ひこが、欧米の工作機械類を輸入・販売する会社として立ち上げました(当時の社名は山やま武たけ商会)。現在は、「人を中心としたオートメーション」をグループ理念に掲げ、間もなく創業から120年を迎える会社です。計測と制御の技術を基盤としたオートメーション事業はアナログから出発していますが、大きな技術革新を迎えてデジタルへ移行し、最近では、DX、生成AIが浸透しつつあります。BtoBがメインで、建物市場ではビルディングオートメーション事業、工場やプラント市場でアドバンスオートメーション事業、ライフラインや健康など生活に密着した市場においてライフオートメーション事業を展開しています。全国にサービスの拠点を持ち、製品の開発から、製造、エンジニアリング、メンテナンス、保守までを一貫して行う体制が整っています。当社のベテランエンジニアは、設備導入当初からお客さまに寄り添い信頼関係を構築し、長らく技術、サービスを提供しているメンバーが数多く在籍しています。こういった背景もあり、ベテランが長く活躍し続ける会社という理由になっているのかもしれません。従業員(単体)5163人(2023〈令和5〉年時点)のうち、50代は2504人。60代以上を合わせると、約半数がベテラン社員という年齢構成になっています。人材育成の面においては、2008(平成20)年に、社員に求める人材像や人材育成の基本理念といった、能力開発基本方針を制定しました。また、2012年には人事部から人材育成の機能を独立させ、アズビル・アカデミーという人材育成の専門機関を立ち上げました。アズビル・アカデミー誕生の2012年は経営体制の一新があり、その際に三つの基本方針を打ち出しました。その一つが「学習する企業体」です。学習する企業体というのは、ただ研修が多い会社、たくさん勉強する企業という意味ではなく、自ら変革しなければならないという意識を持って、継続的に学び、実践をくり返すという体質を強化できる企業体を意味しています。ミドルシニアのキャリア再構築〜リスキリングの重要性と企業の戦略事例発表①アズビル株式会社 アズビル・アカデミー学長 荻おぎ野の明あき子こ令和6年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム「ミドルシニアのキャリア再構築~リスキリングの重要性と企業の戦略」11月28日開催2024年

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