13特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜エルダーシニア領域における課題感について本日は、「50代は『今さら』ではなく『今から』」というテーマで、株式会社明治のキャリア自律支援の取組みについてお話ししていきたいと思います。当社は、2009(平成21)年に明治製菓株式会社と明治乳業株式会社の経営統合によって設立された持ち株会社の明治ホールディングスの完全子会社になります。食品セグメントの事業会社として、乳幼児から高齢者まで、粉ミルク、牛乳、乳製品、菓子、スポーツ栄養食品、流動食など、多岐にわたる商品をお届けしています。さっそく、本題のシニア領域における課題感についてお話ししていきたいと思います。当社の年齢別人員構成を2021(令和3)年4月当時と2032年4月のシミュレーションと比較したところ、60歳以上が2021年は259人ですが、2032年では955人と3・7倍も増える見込みです。さらに、構成比を見ると2021年は3・9%で、2032年は16・6%と、4・3倍に増加することになります。このような状況ですと、従来の再雇用者の仕事のままでは立ち行かなくなり、会社への影響度が格段に上がると、大きな課題感を抱きました。そこにトップからの一言があり、2021年10月に施策検討のタスクチームが発足され、特に「シニア領域については重要度・緊急度の高さに対して世間より遅れている」という認識のもとで検討をスタートしました。課題は四つあり、まずシニア層のモチベーションの低下です。現在の再雇用制度では業務内容や成果、あるいは保有スキルに応じた報酬体系になっていないので、特に管理職の再雇用後の活躍の阻害要因になっているというところが特に大きな課題です。そのほか、働き方に関する意識の変化、生涯現役への支援、そしてスキル向上と再雇用制度の再構築、これらを課題としてとらえてきました。課題の解決にあたっては、リスキリングを通じて新しいスキル、技術を身につけてもらい、社員一人ひとりが活き活きと働き、そして会社に還元して会社も活性化を図るというところを目的としました。その目的を実現するための施策としては、キャリアデザイン研修、面談、リスキリング支援の三つが軸となっています。50代は「今さら」ではなく「今から」~明治のキャリア自律支援の取り組み~事例発表②株式会社明治 人財開発部DE&I推進G 専任課長 戸と井い 浩ひろし令和6年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム「ミドルシニアのキャリア再構築~リスキリングの重要性と企業の戦略」11月28日開催2024年
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