エルダー2025年3月号
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15特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜エルダーミドルシニアのキャリア再構築の必要性ミドルシニアのキャリア再構築、リスキリングの重要性と企業の戦略ということでお話をしていきたいと思います。当社は、研修から実際の職業紹介のところまでスキームを組み立てて、どうすればミドルシニアが活躍できるのかを研究している会社です。ミドルシニアの研修として、個人向けの塾も開講していますが、企業からの相談、あるいは研修の内製化の相談が増えています。実際に転職に至るまで、どうしたらうまく活躍できるのか、どういうスキルが必要なのかを探索しています。会社内のシニアをめぐる問題点は、簡単にいうと「積極性に欠ける」、あるいは「知識が古いが学ぼうとしない」といった仕事に対する姿勢・態度です。原因は、ポストオフや報酬の減少などで、いわゆる縦型のキャリアに対する行きづまりがあり、そこでモチベーションが落ちていくということになります。また、研修を受けるミドルシニア当事者とお話をするなかで感じているのは、「承認欲求が満たされていない」ということです。当事者からすれば会社に裏切られた気分だと話す方も、正直なところ多いです。当社の塾に来ている比較的やる気があるミドルシニアのデータではありますが、会社からの期待感を感じているという人は約4割で、残りの6割はあまり感じていません。会社の施策や会社に対する満足度、エンゲージメントにも影響しています。「能力や経験を活かしきれていない」、「がんばりたいが機会がない」と考えている人がいます。つまりがんばるためのポジションがないということです。ポストオフになっていればなおさらです。また、人事の声、真意は届いていないといえます。「キャリア」という概念がまず多義的で、「キャリア自律」といわれても、何のことやらわからないというのが本音です。「いきなり『キャリア自律』といわれても、いままでしたことがないので無理です」と考えます。ですから若いうちからのキャリア形成が重要になるのです。会社の制度や施策に満足しているかについては、「満足している」という人は10%と少数派で、7割以上は満足していないという答えが出ています(株式会社社会人材コミュニケーションズ会員アンケートより)。ミドルシニアのキャリア再構築~リスキリングの重要性と企業の戦略事例発表③株式会社社会人材コミュニケーションズ 代表取締役CEO社長 宮みや島じま 忠ただ文ふみ令和6年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム「ミドルシニアのキャリア再構築~リスキリングの重要性と企業の戦略」11月28日開催2024年

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