2025.316のに会社からの期待感が感じられない点が重要だと思っています。総論として、重要なのはメッセージの浸透です。そして、突然キャリア自律のすべてを任せないということです。そして“勝手に老けさせない”。世の中に目を向ければ、70代以上でも現役でバリバリ活躍している人たちがいます。そういう人たちと比べればまだまだ若いので、老けさせてはいけないと思っています。また、自己決定の場の提供と、変われる人から変えていくというのが必要です。リスキリングについては、貢献領域と連動させなければいけないと感じています。「『リスキリング』という言葉がいままでの否定に聞こえる」という声も聞こえてきます。そうではなく、いままでの知見に価値があるということですから、何にしてもリスペクトが必要です。それがあればシニアから新施策を動かせる起爆剤にできると考えています。なかには経験と勘に頼りがちな人もいますから、リスキリングはアップデートのためにも必要です。いままでの知見とかけ算したらどうなるかを考えれば、リスキリングは有効だと考えています。いずれにしてもリスキリングは目的が明確でなければいけないというところがポイントになります。ていくことになるので、これまでの延長線上にはないのです。つまり、働き方の再定義が必要になります。まず、「企業の戦略的視点から存在価値の再定義(場の再定義)」をし、続いて「ミドルシニア本人の変革(主体の再定義)」が必要だと思います。これからは付加価値を生む主体になっていかなければいけません。本人の変革においても縦型の年功序列的なポストや報酬といった動機づけの意識を変えなくてはいけません。例えば、達人やアーティストが結果に貢献するような、成果物を動機づけに変更していくイメージです。また陳腐化されたスキルを強化する必要があり、ゆえにリスキリングが重要です。シニアのキャリア再構築の実施方法ミドルシニア本人の変革をうながしていくうえでは、加齢と慣行からくる行動上の問題点を修正する必要があります。例えば、後輩の指導をする際に、口ではいろいろいえるけど、実際にお手本を見せるようなことはしない・できないというようなこともあります。しかし、経験からスキルのレベルは高く、知的資本はすばらしいとしかいいようがありません。よく「WILL、MUST、CAN」といいますが、“WILL”は会社にあります。それな問題は、ミドルシニアに「その施策の目的やビジョンを理解しているか」と聞くと、ほとんどの人が理解できていない点です。特にキャリア研修を始めるやいなや、「この研修の目的は何ですか」と聞かれることがあります。企業の意図が明確に伝わっていないところがあるので、まずはしっかり伝えることから始めることが大事だと感じています。これらはあくまで受ける側の意見です。当社は、企業内のアンケートではなくて個人に聞いていますので、本音だと感じています。実際には、企業はたいへんな努力をされているのですが、それが届いていない、ということが見えてきています。では、ミドルシニアのキャリアをどのように再構築していくのか。まずは、ミドルシニアの“在り方”から考えていきましょう。背景としては、知的資本を有したボリュームゾーンですから活躍してもらわなければなりません。これは避けられない状況です。ただし、いままではそれがなかった世界だったわけで、ロールモデルもおらず、つまり彼らは“フロンティア”なのです。ですので、在り方は新しく定義しないと立ち行かないだろうと感じています。しかも、それはいままでの働き方の延長線上にはありません。縦型キャリアではなく面に広がっ
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