2025.320小島 同年代の方のみが参加可能な講座というのは、50代の社員にとっても参加しやすいですね。荻野さんにお聞きしたいのですが、アズビルでは社員全員がDX人材として活躍できるように取り組まれています。特にミドルシニア従業員向けの取組みはありますか。荻野 あえて50代という年齢枠を設けて「DXナレッジセミナー」を企画しました。「DXを若者に任せておかず、50代でもやるぞ!」と気概がある方を手あげ制で募集しました。セミナーでは「DXとは何か」から学び、学んだことを自分なりに解釈してアウトプットします。自社のDXを自身で考え、成果物として最終発表の形まで整え、当社にあるテクノカンファレンスという場を使って発表、資料公開を行いました。セミナー終了後のアンケートでは、「50代で体系立てて新しいことを学ぶことが新鮮でした。自分なりの大きな発見もありました」、「これまでの人脈を有効に使って、自分なりのDXができそうな気がしてきました」とベテランならではの声が届きました。2024年度は年齢枠を40代にも広げて、同じセミナーを実施しています。興味を持って参加したミドルシニアが、DXについて学びアウトプットすることで、インフ座」がとても興味深かったのですが、50代からシニアの方ほど、デジタルスキルを向上させたくても、参加しづらいのではないでしょうか。参加しやすくなる工夫などはありますか。戸井 ひとことで「デジタルスキル」といっても、さまざまな職種の方がいて、どんな業務であるかによっても取得したいスキルは異なります。ここが一番むずかしいところで、デジタル部門に相談をしながら、一般的に使われているエクセルに絞って、よく使いそうな例題を出し、基本的な操作を教えています。2023年度に2回行ったところ、募集人数を超える応募があったので、2024年度は人数制限せず開催しました。オンライン研修なので自分の進み具合が遅くとも恥をかくことはないですし、そういった意味でも敷居が低く、参加しやすかったのかもしれません。また、動画を後から何回も見ながらしっかり習得してもらえればと期待しています。小島 “じっくり”という言葉が研修の名前になっていますが、本当にじっくり教えているのですか。戸井 教える側も受講者と同じ年代なので、ペースについていけない人は遠慮なく申し出てもらって、じっくりと、ゆっくりな人のペースに合わせて行っています。るだけ具体的な役割を任せるなど、ある程度は企業に示してもらいたいと感じています。小島 なるほど。じつはもっと役に立つことができるということを、会社側が示しつつ、その方をしっかり認めていくということですね。宮島 まさにそうですね、他者承認が必要です。デジタルスキル向上に向けた施策小島 続いて、キャリア形成支援策のなかでも、デジタルスキルの向上についての話をお聞きしていきたいと思います。戸井さんが先ほどの発表で紹介された「50代じっくりエクセル講アズビル株式会社 アズビル・アカデミー学長 荻野明子氏
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