エルダー2025年3月号
23/68

エルダー21特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜いうところは、当然採用にも活用できるのではないかと考えます。また、ミドルシニアのなかには、利益になりそうな情報を持っているのに発表の機会がないと感じている人もいるようです。なかには、効果の期待できるよい提案ができる人がいると思うので、ボトムアップ型にすることで、経営陣にも相当有効な策を出せると思います。小島 ちなみに、宮島さんが考えるかっこいいミドルシニア像はありますか。宮島 いわゆる「マニア」ですね。事業をどんどん開発していく方とか、卒業して何か会社をつくっているOBを取り込むことなども一つの方法だと思います。エンジニアリングの会社に多く、そういった人がいる会社は若手も活き活きしています。小島 いくつになっても、夢中になる何かを仕事で実現している感じでしょうか。宮島 そうですね。まさに夢を追っている、終わり感がないというところですね。小島 なるほど。ミドルシニアのリスキリング施策について今後の課題はいかがでしょうか。宮島 「リスキリング」という言葉が、なんとなく否定的に聞こえます。もっとアップスキルの要素をうまく伝えられるとよいですね。正直なところ、ミドルシニアがゼロから学び始め荻野 「社内プチインターン」という仕組みを取り入れています。自職場以外の業務体験ができ、年齢、部門を超えて、情報と人の交流を生み出すことができる施策です。「学び」という切り口で得た新たな体験は、個人の気づきから行動変容につながります。また、人の交流から新たなアイデアが生まれます。こうして変革の種が蒔かれて、その継続によって芽吹き、結果お客さまへの新たな価値提供につながっていくと考えています。小島 まさにリスキリング施策を通じて、本人の人材育成にもつながり、組織の新陳代謝、活性化にもつながっているのですね。宮島さんは、この点についてどうお考えですか。宮島 ミドルシニアはまさに知的資本を持っているので、いままでのスキルにかけ算でリスキリングをすれば、きわめて有効に価値を生めるだろうと思います。ミドルシニアはやはり業務知識が豊富ですし、ワークフローの改善にもかなりの知見を持ち、現場の知識が強いので、あとはDXの材料があれば、むしろ活躍できると感じています。戦略的にどう企業価値を上げていくかでいえば、ミドルシニアのイメージがあまりよくないので、新卒者がロールモデルとしてイメージできるようなかっこいいミドルシニアをつくるとルエンサーとなって、メンバーが集まってきていると思うので、徐々に広がっていくとよいと考えています。小島 先ほど宮島さんが話していた、やる気のある人から広げていくような、受講者がインフルエンサーになって活動をより浸透させていくという、よい事例ですね。リスキリング施策を通じた企業価値の向上小島 リスキリング施策を通じた企業価値の向上という視点でとらえた場合、アズビルではどんな取組みをされているのでしょうか。株式会社明治 人財開発部DE&I推進G 専任課長 戸井浩氏

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る