エルダー2025年3月号
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2025.328計量計測機器は、あらゆる産業の基盤技術として、生産活動の高度化、評価試験、品質管理、取引および証明、ビッグデータなどに活用されてきた。今後も、本業界の各企業が成長し、持続可能な社会に貢献していくためには、少子高齢化や労働力の高齢化に対処し、産業の活力を維持すること、すなわち、高齢者のさらなる活躍が不可欠といえる。ダイバーシティ経営を推進していくうえでも、個々の特性やニーズが異なる高齢従業員のウェルビーイング(個人が肉体的、精神的、社会的に満たされた状態)の実現が重要であり、本ガイドラインの活用が期待される。本ガイドラインの策定にあたっては、アンケート調査・ヒアリング調査を実施し、業界特有の課題を洗い出し、分析・検討を実施。その結果をふまえ報告書およびガイドラインを取りまとめた。「Ⅰ 計量計測機器製造業における高齢者の活躍に向けた考え方」では、計量計測機器製造業において、高齢者のさらなる活躍が求められている背景、また、高齢者の活躍を推進するための基本となる考え方を整理。高齢者の積極的な活用が企業の優位性獲得の有力な方策となることを示している。「Ⅱ 計量計測機器製造業における高齢者の活躍を推進するための指針」では、業界各社が高齢者の活躍を推進しながら、競争力を高めるために取り組むべき課題や方向性を六つの指針にまとめて紹介している。指針ごとに関連するアンケート調査やヒアリング調査結果を「企業の意見」、「従業員の意見」、「会員企業の取り組み」として整理して紹介しているほか、他業種の取組み事例もあわせて掲載しており、内容をより深く理解しやすい。「Ⅲ アンケート調査結果」では、同業界における高齢者雇用の現状と課題、各社の取組みを多面的に把握するために、2023(令和5)年度に実施したアンケート調査結果を、「計量計測機器製造業における高齢者雇用の現状」、「高齢者の働きぶりについて」、「高齢者雇用のメリットと課題」、「賃金について」、「長く働くために必要な能力・勤務態度について」、「長く働くために今後必要と思われる教育訓練について」、「普段の生活の中で感じている気持ち」の七つの項目に整理し詳細に紹介している。「Ⅳ ヒアリング調査結果」では、Ⅱ章で示した六つの指針に沿って主要なヒアリング意見を紹介している。「企業の意見」、「60歳以上の従業員の意見」、「59歳以下の従業員の意見」と立場別にまとめられ、理解しやすい。最後に掲載している「Ⅴ 参考資料」では、高齢者雇用に関する情報一覧が示されており、「高年齢者就業確保措置」、「同一労働同一賃金」の概要のほか、運用上の課題解決に向けて相談できる支援機関や、高齢者雇用に関する制度の情報を得ることができる。一般社団法人 日本計量機器工業連合会住 所〒162―0837 東京都新宿区納戸町25―1TEL03―3268―2121 FAX03―3268―2167H Phttps://www.keikoren.or.jp計量計測機器製造業高齢者の活躍に向けたガイドライン~はたらくすべての人々のウェルビーイング実現のために~産業別高齢者雇用推進ガイドライン3

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