2025.334きで、作業手順やこの汚れはどうしたら落とせるかと考えたり質問に来たり、そのやり方をみんなにも広めてくれる頼もしい存在です」と話します。仲間にも恵まれて楽しく元気に勤務赤あか池いけ美み津つ子こさん(69歳)は、58歳のときに同社の求人を見て応募し採用されました。現在、日本製鉄・君津地区構内で、資源回収業務に就いています。入社してから2年間は車両の運転もしましたが、「いまは助手席に座り、おもに車両の誘導や、ごみの回収・積載をしています。前職は事務職でしたので、この仕事を始めた当初は、車両誘導の笛を吹くのもうまくできず、仕事に必要な道具類についても何もわからなかったのですが、ていねです。「仕事が身につくまではたいへんでしたが、教えてくれた先輩が年上の方で、がんばれば先輩のようになれるかなと思い、仕事に励みました」とはつらつとした表情で話します。現在、会社寮の清掃を担当しており、8時30分~12時の勤務をメインに、月3~4回は8時30分~16時30分の勤務を行っています。「寮は3階建ての大きな建物で、3人のチームで、階段を上り下りしながら清掃します。70歳を過ぎてから勤務は月14日間になり、年齢に配慮した働き方にしていただけるのも助かります。何より働けることに感謝しています」と話します。仕事を通して「自分の成長を感じられることや仲間ができることがうれしい」とも話し、「健康に留意し、まずは75歳まで働くことを目標にしています」と抱負を語ってくれました。上司の三み上かみ仁じん係長は、「山下さんは、つねに前向した」とふり返ります。「当社は9割がパート社員で高齢化が進んでおり、現在では60歳以上の社員が全体の75%近くになっています。今後も高齢者雇用の取組みや仕組みを強化していく必要性を痛感し、社内でも認識を共有しました」(青木社長)そして、同社の行動指針に新たに、「高齢者の能力を最大に発揮してもらうことを目ざした心身の健康づくり」という文言を加え、特定保健指導受診率の向上などの取組みを行っています。また、高齢社員の安全確保のため、「愚直に続けることが大事。だれもが安全に長く働ける環境を重視して、毎月社員と対話し、作業環境の改善や負荷軽減になる新しい機器の導入を検討しています」(青木社長)と不断の努力を続けています。今回は、清掃、資源回収、ビル設備などの管理の各現場で活躍中の3人の社員とそれぞれの上司にお話を聞きました。清掃業務に就いたことで、より健康的な日々に山やま下した睦むつ子こさん(73歳)は、前職を66歳で退職後、ハローワークに通いつつも仕事が決まらないなか、68歳で八千代商事の面接を受けて、すぐに採用が決まったとふり返ります。初めて清掃業務に就くことに不安もあったそう清掃業務に就いて5年目の山下睦子さん(右)と上司の三上仁係長(左)日本製鉄・君津地区構内の資源回収を担当している赤池美津子さん(右)と上司の善修一課長(左)
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