エルダー2025年4月号
18/68

2025.416が希望した場合に1~3時間の勤務時間短縮措置を講じる短時間勤務制度を導入した。髙たか山やま正まさ樹き代表取締役社長は次のように話す。「再雇用者の1割が短時間勤務制度を利用しています。『定年を機に業務量を減らしたい』、『70歳を過ぎたので週休3日にしたい』、『祝日は休みたい』など、理由は人それぞれです。経験豊富な方たちですので、できるだけ長く勤めてほしいと思っていますが、加齢とともに心身機能も低下してきますから、その辺りを本人が『これ以上何かすると会社に迷惑をかける』と気にかけているところがあり、所属長や経営層が声がけをしてフォローし、できるだけ長く働き続けてもらうよう励ましています」髙山産業の社員は9割が中途採用者であり、飲食業など他業種からの転向、あるいは事務職の経験しかないなど、建設業が初めてという人は多い。そうした未経験者に一から教える教育係としてベテラン社員が活躍している。特に高速道路事業部は高齢社員と若手のペア就労を「バディ方式」と呼び、刈払機など危険をともない注意を要する機械の操作をはじめ、作業全般を指導し、技術伝達に努めている。さらに、高齢社員は緊急災害時にも存在感を発揮している。「高齢社員が運転すると安心感があります。災害時などでダンプカーが埋まり10代が2人(男性2人)、20代が10人(男性10人)、30代が8人(男性6人、女性2人)、40代が12人(男性11人、女性1人)、50代が36人(男性32人、女性4人)、60代が22人(男性21人、女性1人)、70代が8人(男性8人)、80代が3人(男性2人、女性1人)となっている。中高年層が厚く、平均年齢は50歳である。髙山産業では、2019(令和元)年10月、定年年齢を63歳から65歳に、継続雇用年齢を希望者全員65歳から70歳に引き上げている。以前から65歳を超える社員が元気に働いていたことから就業規則を改定し、70歳以降も健康や意欲などに問題がなければ、運用により1年ごとの更新で年齢上限なく再雇用している。なお、年齢や再雇用者であることを理由に、給与の減額などの処遇の変更は行わない。また、定年年齢引上げとあわせて、再雇用者そうなほど、足元の悪いむずかしい現場も上手に運転してくれます。これは技術力の差でしょう。さまざまな現場を経験しないとできないことです。これ以上行ったらぬかるんでいて、車輪がはまることを察知するなど、熟練者はその辺りの感性が違います」と髙山社長も舌を巻く。髙髙山産業の〝学び〟の軸となる「安全大会」山産業の〝学び〟の軸となる「安全大会」熟練者の過信を見直す学びに熟練者の過信を見直す学びに髙山産業における“学び”の軸となっているのが、毎年開催している「安全大会」だ。厚生労働省と中央労働災害防止協会が毎年7月1日から1週間実施する「全国安全週間」は、その準備期間として6月1日から30日まで職場の巡視やスローガンの掲示、労働安全に関する活動を行っており、建設業界では「全国安全週間」にあわせ、各企業が「安全大会」を開くのが恒例となっている。建設業や工事現場で働く労働者の労働安全衛生に関する知識を深め、安全対策の共有を目的とし、講演や講話、避難訓練、消火器訓練、表彰式が行われる。髙山産業では、安全大会を毎年5月末に、全社員と協力会社を対象に実施している。半日の日程で2部制のプログラムを組み、第1部は前年度の安全衛生活動をふり返り、当年度の活動計画・目標について報告し、第2部は特別講演髙山正樹代表取締役社長

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る