2025.424学び続ける中高年には活躍の場が確保できるのです。そうでない人は会社の中の「粘土層」となり、お荷物化していきます。三つめは第二の人生でのデリスキン33333グ3(3リスク低減)3です。60歳の定年を迎えてもそこで現役生活を終えるわけにはいかないのが人生100年時代です。社会から孤立せず、そこそこの収入もキープしながら生きがいを持って人生100年を楽しむには、やりがいの持てる仕事をリスキリングのメリット22私はリスキリングのメリットとして三つ考えています。一つめは当然のことながら、いまの仕事のパフォーマンスアップです。「学びはOJTで十分」とか、「会社がやってくれる研修を待てばいい」(参加しろといわれるから仕方なく参加するのも含め)という風潮がある反面、しっかり自ら学びに向き合っている人たちの実感では、「仕事のパフォーマンスが高まる」、「学びが将来のキャリアに活かされる」という人が多く、学び直しを3年以上している人はやっていない人と比べ年収で30万円の開きがあるという調査もあります(前出のパーソル調査※1)。二つめは私が主張している「青せい銀ぎん共きょう創そう」によるイノベーションです。「青=ヤング」、「銀=シルバー」をさしますが、世代を越えて強みと弱みを補い合うことで、銀からは経験や知識・技能の伝承ができ、青からは最新のデジタルノウハウが学べ、両者が協働することで世代を越えたDXなどのイノベーティブなソリューションが生まれます(図表2)。例えば、ある大手製造業の会社では定年延長に合わせて青銀共創に力を入れており、中高年の活躍の場が広がっています。人口減少で若手が少なくなるなかで、定年後の第二の人生で得ることが重要です。やはりそのためにはしっかり準備することが欠かせません。リスキリングで知の再武装を施し、会社の看板が外れても自立できるようにするのです。リスキリングできる人には目的がある33リスキリングの学習内容について、先のパーソル総合研究所の調査では、トップが英語、次にIT、資産形成・資産運用と続いています。私の友人(40代)のKさんはいま英語のリスキリングに取り組んでいます。彼の仕事はITコンサルティングですが、デジタル技術やアプリケーションの分野では、世界レベルのデジタルの進歩からは周回遅れといわれる日本の知識だけでは、「自身の価値も弱くなってしまう」という危機感を持っているのです。英語でなければ世界最先端のナレッジは得られないのです。そこで始めたのが生成AIを活用した英語の壁打ち練習です。英語の文献を訳させるだけではなく、自分の疑問やプロンプトを英語化し、それを添削してもらいます。音声でもできるので、会話の練習にもなるわけです。こうして英語を学びながらデジタルの最新知識を得るという一石二鳥のリスキリングをしているわけです。K図表2 青銀共創※ 筆者作成・ベテランワイズエルダーとして持続可能性を支える強み弱み若い層と中堅・ベテランが、棲み分けし、持ち味を寄せ合って、助け合い、創造し合う・経験による洞察力・深い技術と判断力・感情理解(EQ)・俯瞰的思考・奉仕の心・忍び寄る体力の衰え・最新技術のフォロー・健康不安・スピード感・デジタル・若い人のマーケット知識・記憶力、IQ・体力、身軽、ノリ・経験不足、知識不足・クレーム対応が怖い・先の読みがむずかしい・若 手トップラインを伸ばす第一線
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