エルダー2025年4月号
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エルダー29 本調査では、男性よりも女性の方が学びに対する意欲が高いという結果が分かりました。男女ともに40~50代では「好きなことで世に役立つ」ことに対して魅力を感じる傾向が最も高く、60代では「個人裁量で社会とつながる」ことに対して魅力を感じる傾向が最も高いという結果となりました。一方、スキル習得に対する関心は、年齢が上がるにつれて低下し、60代は、「社会とのつながり」を求める傾向が強くなります。  45-49歳の男性は、「キャリアに対する不安」が強いものの、50-59歳になると大幅なキャリア変更は難しくなり、「人生の可能性」を模索し、60歳以降は「社会との新たな接点」を求める傾向にあります。自分が好きなことや興味関心を整理しながら、今後の人生の可能性を拡げ、社会とつながる接点にもなるような学びをすることで意欲的に学びを進めることができることがわかりました。 一方、女性は、男性に比べて組織への所属への関心は低く、45-49歳は「キャリアと家庭の両立」を重視し、50-59歳は「スキル習得への強い意識」を持つことが分かりました。60歳以降の「社会とのつながり」を見据え、組織の内外を問わずに活躍できるキャリアや人生設計を叶えられる学びを行うことで、自分らしく社会とつながることができるようになります。 また、現代のミドル・シニア層は、社会環境の変化で「人生のゴール、モデルケース」が消失し、社会人人生のほとんどが不況であったため、希望の人生を果たせていないことが特徴として見られます。中でも、ミドル層は人生の後半に備えて自分らしい人生の基盤を固めたい傾向が強く、シニア層はただ漫然と余生を過ごすのではなく、「自分が主役の人生」を開花させたい願望が強い傾向がありました。② 性別・年代別の傾向と学びに対するアプローチミドル層・シニア層の意識比較ミドル(45歳〜59歳)シニア(60歳〜69歳)現場のトップで若手をマネジメントし、組織を考える立場だが昇進の先行きも見え始めている。子育てにお金のかかる時期。親の介護も開始し、自由が少ない。老化の兆し・更年期。老後に備えて基礎体力や健康基盤を整える。仕事にも家庭にも立場と責任。守っていくべき生活がある。人生折り返し。これまでの「棚卸し」をして人生の方向性を見通したい。子育ての完了。親の超高齢化・逝去と向き合い、自分自身の終末を意識。リタイア後にこれまでのように働くか、別のことを始めるか、選択が求められている。大きな病気を経験するなど、具体的な健康対策と生活スタイルを検討する。自己と向き合う。経験という資産。組織や家族に代わる居場所や生きがいを持ちたい。これからこそ人生の集大成。今までにない経験や、やり残したことを達成したい。組織・仕事家庭健康・体力視点人生観

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