高齢者高齢者のの底力底力地域・社会を支える地域・社会を支えるエルダー45仕事を5年間ほど続け、子どもの受験をきっかけに退職。その後、大手クリーニング店のカウンタースタッフとして、約10年間接客業務にたずさわった。そして、娘の結婚が決まり同居することになったのをきっかけに、「毎日出勤するのは少しきついかなと考え、出勤日数が少ない仕事を探した」そうだ。そして、新聞の求人欄で見つけたのが、首都高トールサービス東東京株式会社の求人だった。3日に1回、月10回の働き方に魅力を感じたことに加え、「仕事でも利用していた首都高での仕事にとても興味がありました」という気持ちで応募し、2017(平成29)年7月から働き始めた。「特殊な勤務シフトの仕事なので、最初は少したいへんでしたがすぐに慣れました。1日仕事をしたら、その後は47時間休みになるので、プライベートの予定が組みやすく、ありがたいなと思っています」と高山さん。現在、3歳のお孫さんがおり、サービス業で働く娘夫婦と休みの日をずらし、保育園の送り迎えのサポートも行っている。さらに休みの日には、会社の仲間とウォーキングや食事、カラオケなども楽しみ、充実した毎日のようだ。「首都高の顔」として大切な存在やりがいある仕事に「年齢への意識はない」長く接客業も経験してきた高山さんの仕事への評価は高く、いまではベテランとして頼られる存在となっている。「現金収受はとにかく、間違いがないことが基本です。ブースでの接客は一瞬ですが、その一瞬で間違いなく対応することに気を遣っています」と高山さんは話す。釣り銭などを瞬時に間違いなくドライバーに渡すコツは、「料金収受機からお釣りが出てくる間にほんの数秒の時間があり、そこで確認すること」だそうだ。そのほか、指差し、声出しで確認することも重要だという。「会社が求めていることを、懇切丁寧にやってもらっていて、本当にありがたい存在です」と、同営業所の田た端ばた守もり男お所長は話す。実際にトラブルが発生したときなども、高山さんのやさしい対応に安心感を覚えるドライバーも多いようで、「お客さまから『ありがとう』といってもらえるのが、やりがいになっていますね」と高山さんは話す。八潮営業所が管轄する首都高6号三郷線から中央環状線の一部は、特に交通量が多く、料金収受係員は365日24時間、ブース内で多くのお客さまからの視線を受けての業務となる。「首都圏の人、物流の大動脈である首都高速道路をご通行されるすべてのお客さまが安全、安心してご通行いただくため、料金収受係員は、首都高の『顔』として笑顔でお客さまを出迎え、ていねいで親切、かつ的確な業務を行っています」と、同社の東とう條じょう正まさ樹き部長は強調した。田端所長も、高山さんも、「高齢という意識はない。年齢は気にしない」と口をそろえる。「健康やけがに気をつけて、元気なうちに何かお役に立てるのなら、70歳を過ぎても働いていきたいですね」と、高山さんは笑顔で語った。八潮営業所所長の田端守男さん(左)と料金収受係員の高山加洋子さん(右)るという「勤務」、「明け」、「休み」のサイクルで、1カ月あたりの勤務は10回ほどとなる。高山さんは結婚をしてから、長く専業主婦だったが、子どもが高校生になったのをきっかけに、40代のころから仕事をするようになった。まずは、企業からスポットで配送を請け負う仕事に就き、「そのころはずっと運転をしており、首都高でもよく運転していました」と話す。配送の
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