エルダー2025年4月号
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エルダー53権ごん藤どう恭やす之ゆき 著/ポプラ社/990円一般社団法人リボーンプロジェクト (編)/太田出版/1760円ソネ ジュンコ 著/宝島社/1210円筋力は、何歳からでも鍛えることができるという。本書は、力を込めて行うこれまでのハードな筋トレの概念をいったん捨てて、シニアの筋トレをテーマに、楽しく筋力をアップさせるトレーニング方法をまとめた一冊。著者のソネジュンコ氏は、ボディメイクスタジオを運営するほか、大阪市保健指導委員会講師など多方面で活躍中の72歳。本書では、筋トレのモデルも務めている。紹介している筋トレは、これまで使えていなかった筋肉を目覚めさせることからはじめるというもので、そのためのセルフチェックから、棒などを使って行う入門トレーニング、さらに「ゆる腹筋」、「ゆるスクワット」など一日5分でできる筋トレを5日間続けるプログラムを提案。筋トレをしたことがない人、久しぶりに体を動かす人にもチャレンジしやすい内容だ。加えて、背中やお尻など部位別の筋トレ、腰痛の痛みの緩和、転倒防止など目的に合った筋トレ方法も紹介している。シニア世代が筋トレをすると、「体幹力が増し転倒予防に」、「代謝が上がり、体脂肪が減る」などのメリットがあるという。本書を職場に置いて、社員全員ではじめてみるのもよさそうだ。2040年には単独世帯の割合は約40%に達し、特に65歳以上の単独世帯数の増加が著しいと予測されている※。人生の最終盤に入るとだれかの助けが必要になるが、「介護難民」にならないためにも自分の介護は自分でデザインし、他者や制度にじょうずに頼ることが必要だと著者はいう。本書は、親の認知症介護から完全セルフ介護まで、54の個別事例をルポルタージュ形式で掲載。親の介護と介護する側の老い、介護する側が弱ったとき、在宅か施設か、老後資金計画、墓じまいなど、親の介護から始まるリアルでさまざまな事例と、それに対する専門家からのアドバイスを収めた一冊。ケアマネジャーや看護師、ライフプランナー、精神科医など多様な分野の専門家がわかりやすい言葉で答えている。事例は、人生の後半期を四つのフェーズに分けて構成されており、局面ごとに待ち受けるバリアをいかにクリアしていくかを考えていく。また、今後さらに増えることが予測されている一人暮らしの高齢者が、安心できる老後を準備するための情報も掲載している。介護と仕事の両立支援に取り組む、企業の担当者にも役立つだろう。国内に住む100歳以上の人は9万人超だが、本書によると、長寿化はますます進み、2065年には55万人近くになるといわれているという(国立社会保障・人口問題研究所)。しかし本書は、次のようなデータも示している。ある調査結果によると、「100歳まで長生きしたいか」という質問に対し、「とてもそう思う」と答えた日本人は8・1%で、6カ国中最低だった。理由は、「寝たきりになりたくない」、「人の世話になりたくない」からだという。本書は、これまでに500人以上の百寿者と実際に会い、調査を続けてきた老年心理学者の著者が、加齢をめぐるデータや研究結果、出会った人々のエピソードを交えながら、「100歳は幸せか」、「幸せな100歳になるには」を考察する。出会った百寿者には、身体機能が衰えて、自由度が低くなっていても、幸せを感じる人が少なくないそうだ。その幸福感の理由を聞き、「生きていれば、駄目ながらも娘の話し相手になってあげられるから」など十人十色の幸せを紹介。そして、例えば、ピンピンコロリを目ざしながら、それがうまくいかなかった場合のことを想定した別の生き方も準備するなど、失うものが増えても幸せを感じられる老いをみつめていく。60歳からの筋トレ入門 新装版じょうずに頼る介護54のリアルと21のアドバイス100歳は世界をどう見ているのか何歳からでも大丈夫。ゆるトレで楽しく筋力アップ!!親の介護は「自分介護」のリハーサル!自身の安心老後のテキストブック500人以上の“100歳”に会った著者が考える、幸せを感じられる「老い」とは?※ 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成30)年推計」(2018)

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