エルダー2025年5月号
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エルダー11特集会社の成長のカギを握る「高齢社員の活かし方」解説1はじめにはじめに11少子高齢化の影響が広がるなかで、高齢社員の活躍支援は各組織の重要テーマとなっています。高齢社員側も“人生100年時代”といわれ、年金制度などへの不安もあるなかで「あと少しで定年したら仕事はせずに引退生活」と考える方は少なく、60・70代までなんらかの形で経験やスキルを活かしたいと考える人が増えています。経験やスキルを持った高齢社員を活かすうえで有効な仕組みの一つが、「社内公募制」です。本稿では、高齢社員の活躍支援につながる社内公募制の概略と、導入や運用のポイントを解説します。高齢社員の活躍を支援する高齢社員の活躍を支援する「社内公募制」とは「社内公募制」とは22社内公募制は、組織内の、人員を配置したいポジションを公開し、社員に応募してもらう仕組みです。社内公募制では、各部署を“採用企業”、社内を“労働市場”に見立て、募集ポジションの業務内容、求める経験・スキル、待遇や積めるキャリアなどを開示して、社員が応募できる状態にします。応募後は各部署などで選考を行って、合格(配属)が決定されると所属部署にも開示され、一定の期間で異動が実施される形が一般的です。社内公募制は大手企業を中心に導入され、ジョブ型人事の導入などにともなって管理職への昇格選考も社内公募制で挙手した社員のみを対象に実施するような事例もあります。社内公募制では業務を熟知している、また活躍しているメンバーが異動してしまうことも起こりますので、組織運営上の問題や業績低下などのリスクを心配する方もいます。しかし、適切に運用することで優秀人材の離職防止、社員のモチベーション向上、採用コストの削減、幹部候補の育成につながります。高齢社員の活躍支援という観点でも、・高齢社員が持っている経験やスキルを活かす・キャリアの選択肢を広げ、高齢社員のモチベーションを向上させる・高齢社員のキャリア自律の意識づけにつながるといったメリットがあります。私が所属している株式会社ジェイック(以下、「ジェイック」)では、「可能性を羽ばたかせる」というミッションを掲げ、社員のキャリア自律を促進しています。ジェイックにおける高齢社員のスキルを活かす仕組みづくり高齢社員のスキルを活かす仕組みづくり❶「社内公募制」の活用❶「社内公募制」の活用株式会社ジェイック HRドクター編集長 古ふる庄しょう 拓たく

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