エルダー2025年5月号
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2025.512図表1 「マイキャリア」の基本の流れ資料提供:株式会社ジェイックSTEP01年に一度、全社員を対象にアンケートを実施STEP02アンケート結果は上司などを通さず、人事と人事委員会(経営層)のみで共有STEP03「異動希望者」と「キャリア面談の希望者」は個別面談を実施STEP04面談結果もふまえて異動などを検討して決定本人へのフィードバックを実施※ジェイックは1月末決算になるため、翌期の異動検討に間に合う10~11月に実施・毎年、全社員が自身のキャリア希望を申告できるアンケートを実施・公開ポジションへの応募+それ以外の異動希望の意向を取得・社内公募制とキャリア面談を通じて、キャリア自律のきっかけとするといった点です(図表1)。アンケートは図表2(13ページ)のようなものです。 マイキャリアの導入を検討する際には「本音を答えてもらう」と「回答結果を活用する」というバランスのなかで、アンケート結果をどこまで共有するかなども検討事項の一つキャリア自律支援は、①キャリア研修など、キャリア自律を「考えるきっかけ」②社内でのキャリアカウンセリング、社外でのキャリア面談など「個別のケア」③社内公募制や異動希望制などの、キャリア自律を「後押しする制度」④e︲ラーニングや資格の取得支援などの「学ぶ環境」という組み合わせで実施され、記事テーマとなる社内公募制に関しては、社内公募・異動希望の制度「マイキャリア」を運用しています。もともとジェイックでは人材育成と相乗効果の発揮を意図して、部門や職種、拠点をまたいだ人事異動を積極的に行ってきました。そのなかで、会社からの指示による人事異動とともに運用しているのが、求人応募、異動希望を出せる社内公募制「マイキャリア」です。次章では社内公募制の実態をイメージしていただくため、ジェイックが運用するマイキャリア制度の概要を紹介します。ジェイックの社内公募制ジェイックの社内公募制「マイキャリア」「マイキャリア」33ジェイックが運用する社内公募制「マイキャリア」の特徴は、でした。質問項目も、本音を聞き出すとともに、ネガティブな感情が生まれないよう、何度もブラッシュアップしています。また、出した希望が必ず通るわけではないという点も明確に発信しています。異動希望の設問では「異動先で成果が出せるか不安」といった心配もあることを考慮し、異動希望とは別に「興味のあること」、「今後挑戦してみたいこと」、「将来築きたいキャリア」などについての自由記述の質問も取り入れています。これは「異動希望を出すふんぎりはついていないが、チャレンジしたいことがある」といった本音を聞き出す工夫です。社内公募制の成果と気づき社内公募制の成果と気づき44マイキャリアの導入後、毎年一定数の社員がマイキャリアの回答を基に異動機会を得ています。自身の希望による異動は、意欲が高まるだけでなく、受け入れた部署側でも成長目標の設定やマネジメントをしやすくなります。このような観点からも、社内公募制が適切に実施されるとよい影響が生じると感じています。全員の希望を即座に叶えることはむずかしく、希望が通らない場合も多くあります。一方で、マイキャリアの回答をふまえて、他事業部

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