エルダー15特集会社の成長のカギを握る「高齢社員の活かし方」解説2はじめにはじめに11労働力人口の減少により、企業は経験豊富な高齢社員の知見を活かした組織の競争力強化が求められています。しかし、企業においては「高齢社員」とひとくくりにとらえてしまい、個人ごとの強みを活かした活用ができておらず、競争力強化が進んでいない現状も見てとれます。そこで本稿では、高齢社員のスキルを可視化し企業価値の向上につなげるためのスキルマップの策定・運用のポイントを解説します。高齢社員の強み高齢社員の強み22高齢社員には若手をはじめとする一般社員と比べて大きく三つの強みがあると考えられます。①豊富な業務経験長年の業務経験から得た専門知識やノウハウは高齢社員だからこその強みです。②人脈とネットワークこれまでの経験を通じて得た社内外の幅広い人脈は一朝一夕には得がたい強みです。③組織の文化・価値観の継承自らも文化をつくる側として参画してきているため、その会社ならではの文化の維持や後進への伝承は高齢社員にこそ期待できる強みです。高齢社員の課題高齢社員の課題33一方で高齢社員ならではの課題もあります。①新技術・デジタル化への適応最新の技術やツールへの適応力は加齢とともに落ちていくのが一般的です。②体力・健康面での制約若手社員と比較して業務負荷の面で制限が生じる可能性が高くなると考えられます。③モチベーションの低下いわゆる「出世」と離れる立場になることで、役職定年やキャリア終盤になるほど成長や貢献意欲を維持することはむずかしくなります。高齢社員向けスキルマップの高齢社員向けスキルマップの意義と目的意義と目的44そもそも「スキルマップ」とは、社員のスキルや経験を可視化し、適材適所の配置や能力開発を行うためのツールです。高齢社員向けのスキルマップは、先述の強みや課題に応える形で、以下三つの目的で活用できます。①スキルの見える化高齢社員個々人の強みを整理し、適所の活用高齢社員のスキルを活かす仕組みづくり高齢社員のスキルを活かす仕組みづくり❷「スキルマップ」の策定と活用❷「スキルマップ」の策定と活用株式会社フィールドマネージメント・ヒューマンリソース シニアマネージャー 堀ほり井い元もと禎ただ
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