エルダー19特集会社の成長のカギを握る「高齢社員の活かし方」事例1「挑戦」をキーワードに「挑戦」をキーワードに基幹職の活躍をうながす新制度基幹職の活躍をうながす新制度日本ガイシ株式会社は、1919(大正8)年に日本陶器合名会社(現・ノリタケ株式会社)のガイシ部門が独立し、日本碍がい子しとして創業した。国内の電力普及にともない、当時輸入に頼っていた特別高圧がいしを国産化し、近代日本の送電インフラ構築に大きく寄与。戦後の高度成長期には事業の多角化・拡大を推進し、世界的なモータリゼーションの進展にともない、排ガス浄化用セラミックス装置を主力製品とし、グローバルに展開するなど、半導体製造装置用、電子電気機器用など、独自のセラミックス技術を活かし、社会の基盤を支え、環境保全に役立つ製品を開発・提供してきた。日本の陶磁器産業を代表する森村グループの中核をにない、2025(令和7)年3月現在、海外18社を擁するグローバル企業である。近年の電気自動車の普及と、世界的な脱炭素の大きな流れのなか、「NGKグループビジョン Road to 2050」を策定し、「独自のセラミック技術でカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)とデジタル社会に貢献する」をありたい姿として掲げ、2050年にこれらの分野における関連製品が売上高の80%を占めることを目ざしている。事業構造の転換を加速させ、グローバルブランドとして確立させていくため、2026年4月1日付で社名を「NGK」に変更する予定だ。同社では、2025年4月に、基幹職(管理職)の人事制度を改定した。人材統括部人事戦略部グローバル人事グループの山やま田だ倫みち大ひろグループマネージャーは、人事制度改定のねらいについて、次のように話す。「NGKグループは、『5つの変革(収益力向上、商品開花、DX推進、研究開発、ESG経営)』で、事業構成の転換に挑戦しています。グループビジョン実現のためにも、人的資本経営方針に基づいて優秀な人材を社内外から確保し、全社一丸となって挑むべく、基幹職人事制度を改定しました。新しい人事制度のコンセプトは『透明性・公平性・納得性の向上』と『自律的な行動促進』、『挑戦の後押し』です。事業構造の転換に向け、多様な人材の最大活用と自律的行動を促進し、年齢に関係なく意欲を持って主体的に挑戦する人材の創出につなげていきます」基幹職を対象にした人事制度改定は約20年ぶりとなる。改定の中心となるのが等級制度の変更だ。これまで1種類であった等級を複線化し、すべての職務に対してジョブディスクリプショ事業構成の転換にあたり人事制度を改定事業構成の転換にあたり人事制度を改定「社内スカウト制度」でミドル・シニア層の活躍を推進「社内スカウト制度」でミドル・シニア層の活躍を推進 日本ガイシ株式会社(愛知県名古屋市)
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