エルダー21特集会社の成長のカギを握る「高齢社員の活かし方」な人材が自身の持ち味を存分に発揮していくことが期待される。になう職務に応じて等級を決定することから、年齢を理由に報酬が下がっていた問題についても、解消することができる。「58歳になるとどんな仕事をしていても、一律で給料が下がり、60歳になるとまた下がっていましたが、新制度では年齢は関係なく、同じ仕事を続ければ58歳になっても、60歳になっても同じ等級で、給料が変わらなくなります。価値が高い仕事をすれば、年齢は関係なく報酬が得られる仕組みです」(山田グループマネージャー)他方、若い世代からすると、仕事が変われば等級も変わるため、30代であったとしても給料が下がる可能性もある。人材統括部の斉さい藤とう達たつ也や人事部長は次のように語る。「例えば、38歳で課長職に就き、43歳でいったん役職を降りるとします。その人はそこで勉強して、次に別の部署の課長となってマネジメントを続けるか、あるいは『私は専門性を高めていきたい』と覚悟を決めるのであれば、その部署のまさにプロフェッショナルのプレイヤーとして活躍していくというキャリアの選択肢があります。今回の人事制度改定には、『年齢に関係なく、自分でキャリアを選ぶことができ、縦横無尽にどの職務でも活躍することができる』というメッセージが込められています」ジャー1本の等級であったが、三つの等級を設定した。新しい職務等級として設けた「マネジメント等級」は、マネジメントに専念し、組織長として戦略策定の具体化や人材のマネジメント、組織成果の最大化に寄与することを期待される職務である。同じく新たな職務等級である「エキスパート等級」は、例えばデータサイエンティストなどの専門性の発揮に特化した職務となる。従来のプレイングマネージャーは、「シニアプロフェッショナル等級」となり、専門性を発揮するスペシャリスト(個の専門性を軸に貢献)と組織をリードするチームリード(集団のリードや組織運営支援を主軸に貢献)の二つの役割が期待される。等級の複線化により、役割を明確にし、多様全基幹職の社内公募制拡大と全基幹職の社内公募制拡大と見える化を活かしたスカウト制度見える化を活かしたスカウト制度新制度では、社内公募の対象を全基幹職に拡大し、新しく「社内スカウト制度」を導入した。個人の意思で次のキャリアに挑戦できる機会を増やし、組織の活性化と新たな挑戦を生み出していくことがねらいだ。社内公募制度は、各部門の募集に対し、社員本人の意思で選考プロセスに進むことができる仕組みで、応募の際は、所属部署に知られずに選考を受けられるという利点があり、完全に本人の意思による自律的な挑戦が可能となっている。今回新設した社内スカウト制度は、各部門が欲しい人材にアプローチし、本人に社内公募制度を使った応募をすすめるという仕組みとなっており、部門側から求める人材の獲得に動くことができるというものとなる。「スカウト制度は適所適材の異動配置を加速させるための取組みで、スキルや要件の見える化がセットになっています。今回の制度改定では基幹職1150ポストのジョブディスクリプションをすべて作成して職務を明確にし、になう職務に応じて等級を決定しました。どの部署にどんな職務があり、求められる成果や責任、権限・マネジメントの範囲、必要な知識およびスキル人材統括部斉藤達也人事部長(右)、人材統括部人事戦略部グローバル人事グループ山田倫大グループマネージャー(左)
元のページ ../index.html#23