エルダー2025年5月号
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エルダー23特集会社の成長のカギを握る「高齢社員の活かし方」事例2創業100余年の大手総合物流会社創業100余年の大手総合物流会社三つの事業分野を有機的に展開三つの事業分野を有機的に展開山九株式会社は、1918(大正7)年に「山九運輸株式会社」として、福岡県北九州市で創業。八や幡わた製せい鐵てつ所しょおよび山口県の海軍燃ねん料りょう廠しょうにて石炭荷揚げ、貯蔵、構内作業をになう事業からスタートした。「山九」という社名は、当時の事業基盤であった山陽と九州の頭文字と、感謝の心を表す、英語の「Thank you」に由来している。1980(昭和55)年に現在の社名「山九」に変更し、長い歴史のなかで積み上げてきた現場力を活かし、大手総合物流会社に発展した。現在は、「ロジスティクス(物流)」、「プラント・エンジニアリング」、「ビジネス・ソリューション」の三つの事業分野を有機的に結びつけた、独自のビジネスモデルを構築。本社を東京都中央区勝どきに構え、国内支店39、国内関係会社44、海外現地法人40などを展開する山九グループとして、製鉄所や化学系プラントなどの企画段階から、設計・建設・重量物輸送・据付・試運転までのトータルサポート、さらに操業支援、設備のメンテナンス、調達・生産・販売までワンストップサービスを提供し、産業の根幹から、人々の暮らしまでを支えている。「人を大切にする」経営理念を継続「人を大切にする」経営理念を継続社員を「人財」と表し、活躍を手厚く支援社員を「人財」と表し、活躍を手厚く支援創業以来、「人を大切にすること」を経営理念とする同社では、社員を「人財」と表し、その育成に注力してきた。階層別やスキルに応じた豊富な研修プログラムを用意して社員の能力向上を図り、最大限に能力を発揮して活躍できるように支援している。社員数(単体)は、約1万3000人。うち、65歳以上は560人(パート・アルバイトを除くと130人)。新規学卒者を毎年採用しており、正社員の平均年齢は41・0歳となっている。60歳を超える社員が増えてくるなか、2021(令和3)年に定年を60歳から65歳に延長するなど、シニア世代の活躍推進にも取り組んでいる。現在の高齢者雇用制度は、定年65歳(60歳以降は定年年齢を選択することが可能)。65歳定年後は70歳まで契約社員として働くことができる再雇用制度がある※。希望により、短日・短時間の柔軟な働き方をすることが可能で、実際に65歳超の社員の働き方はさまざまだという。なお、再雇用制度では、本人と会社の希望、健康状態を勘案して、1年ごとに契約を更新している。現在の最高年齢者は77歳で、管理職を務めた後、定年以降もつちかった技術を発揮し※ 70歳以降は、事業運営や人財育成の観点から個別に契約をするケースもあるダイバーシティ推進のためダイバーシティ推進のため経験豊かなシニア人財を採用経験豊かなシニア人財を採用山さん きゅう九株式会社(東京都中央区)

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