2025.524求職者はこれまでの職務経験や希望する職種、賃金、勤務時間などを伝えて、同センターが収集した求人情報から条件に合った企業を紹介してもらう。求人企業は、希望する人材、求められる能力、資格、経験などを伝え、それらの条件に合った求職者を紹介してもらう。面接日程の調整や採否の連絡なども含めて、同センターがマッチングを行う。このキャリア人材バンクを通じて、2024年5月、黒くろ丸まる修おさむさん(65歳)が入社した。それまで同社では、キャリア採用で50代後半から60歳くらいまでの人財を採用したことはあったが、65歳での採用は黒丸さんが初めてとなる。「ダイバーシティに取り組むことを検討していたこともあり、キャリア人材バンクには、『人事で活躍されたキャリアがあり、ダイバーシティの取組みを進めていくための経験者を求めています』と希望を伝えて求人を申し込んだところ、黒丸さんを紹介していただきました」(松本人事企画担当部長)採用面接を経て、「厳しい環境下で長年責任ある仕事をされてきたこと、人事の仕事やダイバーシティを進めてこられた経験もあると知り、当社としては、その経験から学びたい、当社で活かしてほしいと思いました。物腰がやわから学びたい』という考えが根底にあります。また、お客さまのご要望を受けとめて、ていねいにしっかりとお応えするという文化のある会社ですが、新しいことに取り組むときのスピード感などに少々欠けると感じるところがあり、そういったスキルや知見を持つ方に入社してもらいたいと考えました」このようなねらいから、公益財団法人産業雇用安定センターの「キャリア人材バンク」に登録して、シニア世代のキャリア採用を行っている。産業雇用安定センターのキャリア人材バンクは、働く意欲が高く、能力、経験が豊富な60歳以上の高齢者と、その能力や経験を必要として採用を希望する企業が登録し、求人・求職の申込みを受けて、同センターが間に入り、マッチングを支援する仕組みだ。登録後は、同センターの担当者と面談を行い、ながら、後継者の指導に活躍しているそうだ。外部からのキャリア採用は外部からのキャリア採用は新たな知見や経験から学ぶため新たな知見や経験から学ぶため定年延長などにより、社員が長く働ける環境を整えると同時に、特定のスキルや経験を有する人財を即戦力として迎えるキャリア採用にも取り組んでいる。人事部の松まつ本もと靖やすし人事企画担当部長兼採用グループマネージャーは、「外部からキャリアのある人財を積極的に採用するようになったのは、2023年からです。それまでは年間4人ほどでしたが、2023年は17人、2024年は18人を採用しています」と状況を説明する。小お川がわ晋すすむ人事部長は、外部からのキャリア採用のねらいについて次のように話す。「当社は、プロパー社員が多いことから、『外人事部 松本靖人事企画担当部長兼採用グループマネージャー人事部 小川晋人事部長
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