2025.526「ダイバーシティの取組みについては、これから承認をもらい、アクションに移していく、まずそこをやっていきます。それから、キャリア自律を支援する取組みにも、時間を注ぐことができたらと考えています。私自身、研究職から人事へ異動した経験があり、最初は戸惑いましたが、やってみるとまったく異なる仕事ということではなく、人事が自分に合っていると思うことができました。山九はいろいろな仕事がある会社ですから、社内にどんな仕事があるのか、社員から見えやすい形にすると、一人ひとりの可能性をさらに広げられるのではないでしょうか。それは、社員にとっても会社にとってもよいことだと思いますので、そんなことも進めていきたいと思っています」そして、「経験を活かし、つちかってきた能力を発揮できていること、会社から期待してもらえていることにやりがいを感じています」と黒丸さんは話し、笑顔をみせた。経験豊富なシニアから経験豊富なシニアから若い社員が多くを学ぶ若い社員が多くを学ぶ小川人事部長は「黒丸さんは経験豊富なうえ、人をひきつける力が強く、黒丸さんから若い社員が学べることは、じつに多くあると思っています」と語り、黒丸さんの今後の活躍にも大きなDEI推進グループは4人の幅広い年代の社員で構成され、ダイバーシティ推進を担当している。本格的に取組みを進めていくうえで、さまざまな準備を始めたところだという。「前の会社でもダイバーシティ推進室を立ち上げる準備にたずさわりました。ダイバーシティは何年もかけて徐々に浸透し、会社が変化していきます。社員が発する言葉や行動も変わっていく、そんな変化を目の当たりにしました。そのときの経験を、いま活かすことができています。ただ、ダイバーシティは風土改革でもありますから、100年企業の山九の文化を、まず私自身が理解することが大事です。機会をいただいて現場を見学したり、社員のみなさんが大切にしていることの理解に努めたりしながら、どのようにして取組みを推進していったらよいのか、考えています。週3日勤務の私は、フォロワー的な存在です」と黒丸さんは現在の仕事を語る。週3日の勤務は「ワーク・ライフ・バランスがとれてありがたい」と感じているが、円滑に仕事が進むように、会社にいるときにはできるかぎりグループメンバーとコミュニケーションを取り、成果物を都度共有するように努めているという。さらに黒丸さんは、次のように話す。期待を示すとともに、「キャリア採用というと、即戦力のイメージを持って採用されると思います。私もそうでした。しかし、それだけでないことを実感しています。若い社員にはいろいろな知識・経験から学んで自身を高めていってほしいので、シニアを採用することで、社外のことを学べる機会ができる、そういった人財育成をキャリア採用のシニアに期待することができています。年齢にかかわらず、今後もいろいろな経験を積んだ方々を採用していきたい」と続けた。同社が求めるシニア人財については、「技術・技能だけではなく、人と人とのつながりで仕事をすることが多くあるので、人柄やコミュニケーションの面も重視しています。採用した側としては、その方の優れた面を活かす配置をすることが重要だと思います」と小川人事部長は話す。シニアを採用してから心がけていることは、「経験の長い方からは、学ぶものが必ずあります。それを学びたいという気持ちを持って接していると、うまくいくのだと思います」と返ってきた。さまざまな経験を積んだシニア人財が技術や知識・経験を活かし、さらに活躍できるようにするには、シニアとその力に期待する会社の呼吸が合うことも大事な要素であることが伝わってくる。
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