2025.610です。介護休暇は日常的な介護のニーズにスポット的に対応するための休暇です。そしてそのほかの介護両立支援制度は、日常的な介護のニーズに定期的に対応するため働き方を変える制度です。次に従業員への制度の認知促進です。そのために早期情報提供の義務化がはじまります。では、40歳以下は知らなくてよいのか、といわれれば、まったくそうではありません。むしろ、本来であれば介護両立支援制度のみならず、法定休暇においては社会人としてあたり前に知っておくべきことなのです。まずは、その第一歩として早期情報提供を40歳と規定しただけと考えるべきでしょう。企業として介護離職防止対策ならびに企業として介護離職防止対策ならびに仕事と介護の両立を支援する仕事と介護の両立を支援する77これらのことから、企業が介護離職防止対策ならびに仕事と介護の両立支援のためにすべきことは何でしょう。①介護両立支援制度を理解する ②キャリア支援に力を入れる③会話と対話の多い会社を目ざすとにかく経営者や運営側が介護両立支援制度ならびに、介護離職の構造や仕事と介護の両立が何たるかをしっかり理解すべきです。特に、のたびの法改正の肝は、「介護に直面する前の早い段階(40歳など)での情報提供」です。そのうえで「制度を使いやすくする」、「申出をしやすくする」ために「雇用環境整備」も必須の対策となったのです。この法改正の意図には、事業主には介護両立支援制度の理解促進、従業員には介護両立支援制度の認知促進があります。まずは周知・意向確認、情報提供をする事業主が育児・介護休業法を理解する必要があります。育児・介護休業法は就業支援の法律なので、働き続けるための制度です。なぜ、いまさら事業主に対して、育児・介護休業法の理解促進をしているのか、それは間違った解釈によって介護離職を促進しているからです。企業においては介護休業の日数を拡充している場合があります。どういったメッセージのもと、制度拡充しているのかを従業員に理解してもらっているでしょうか。もしかしたら、業種業態によっては就業継続するために介護休業の拡充が必要なのかもしれませんが、その必要性を検証したうえでの制度拡充なのでしょうか。制度拡充の意図が不明瞭だと、それは「仕事のことはいいから、一時的にでも介護に勤しんでください」というメッセージとなりかねません。介護休業は介護の体制を構築するための休業介護=高齢者のイメージがありますが、障害のあるお子さんの介護も含まれますので、その場合は、育児の制度と介護の制度の組合せで就労支援をしていきます。企業がすべきことは、育児や養育や介護の支援ではなく、就労支援です。次に、介護離職防止にはキャリア支援に力を入れることです。毎年キャリアを考える機会があれば、自ずと結婚や出産、健康やお金、介護や職を離れた後をイメージします。そして、そのときどきに必要である法定福利厚生や法定休暇の知識の提供をしてください。キャリアを考えるなかで必要な知識の教育が仕事と介護の両立に役立ち、そういった取組みこそが、雇用環境整備につながっていくのではないでしょうか。対話は離職を防止します。会話は働きやすい職場をつくります。そして、対話と会話の機会は従業員のコミュニケーションスキルを上げることにつながります。近年では「心理的安全性の担保」という言葉がありますが、まさに、心理的安全性の高い職場をつくるために必要な行為が会話や対話です。会話や対話から、仕事に集中できない理由や家族・親族のことで困難を抱えているなどの情報を引き出し、一緒に考える姿勢を示すこともできます。従業員が「これでよかったんだ」と思える選択肢と支援をお願いします。
元のページ ../index.html#12