エルダー2025年6月号
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2025.612図表2 要介護状態の判断基準 ※2025年1月に変更された箇所を抜粋(下線部分)次の項目①~⑫のうち、Aの状態であるものが2つ以上またはBの状態であるものが1つ以上あり、かつ、その状態が継続すると認められること。※ 厚生労働省「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について」をもとに筆者作成項目状態AB︙︙︙⑧外出すると戻れないことや、 危険回避ができないことがあるときどきあるほとんど毎日ある︙︙︙⑩周囲の者が何らかの対応をとらなければならないほどの物忘れなど日常生活に支障を来すほどの認知・行動上の課題があるときどきあるほとんど毎日ある⑪医薬品又は医療機器の使用・管理一部介助、見守り等が必要全面的介助が必要︙︙︙介護休暇33介護休暇とは、要介護状態にある対象家族の介護や世話を行うために取得できる休暇です(「要介護状態」、「対象家族」の定義は、介護休業と同じ)。介護休暇は、対象家族を直接介護するためだけでなく、対象家族の通院の付添いや、家事や買い物の世話などのためにも取得することができます。また、介護休暇は、日常的な介護のニーズにスポット的に対応することを目的としているため、一日単位だけでなく、時間単位でも取得できます(労使協定で、時間単位での取得が困難な業務に従事する従業員を時間単位取得の対象外とした場合を除く)。時間単位で取得する場合には、法律上は始業または終業の時刻と連続して取得することとされており、いわゆる「中抜け」の形で取得することは想定されていませんが、会社が「中抜け」を認めることは可能です。介護休暇の取得可能日数は、1年度に5労働日(要介護状態にある対象家族が2人以上いる場合は10労働日)です。また、労使協定を締結した場合には、1週間の所定労働日数が2日以下の従業員を介護休暇の対象外とすることができます。以前は、勤続6カ月未満の従業員も対象なお、図表2の判断基準の項目は、従来はおもに高齢者介護を想定した記載になっていましたが、2025年1月より、障害児や医療的ケア児を介護する場合にも判断しやすいように記載が一部変更されています。介護休業の取得可能日数は、対象家族一人につき通算93日までです。3回まで分割して取得することもできます。この条件に反しないかぎり、対象家族の介護が続いている間はいつでも介護休業を取得することができるため、会社は取得日数や分割回数を対象家族ごとにわかりやすく管理する必要があります。介護休業の対象外となる従業員は、法律上対象外と定められている、①日々雇用の従業員、②介護休業開始予定日から93日を経過する日から6カ月以内に契約期間が満了することが明らかな有期雇用の従業員と、労使協定を締結した場合にのみ対象外とすることができる、③勤続1年未満の従業員、④介護休業の申出日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員、⑤1週間の所定労働日数が2日以下の従業員です。①は、後述の介護休暇、その他の介護両立支援制度においても対象外となります。なお、雇用保険に加入している従業員が介護休業を取得した場合には、一定の条件を満たせば介護休業給付金が支給されます。(者)の介護・支援が必要な場合も含まれます。具体的には、介護保険制度において要介護2以上の認定を受けている場合、または厚生労働省が公表している判断基準(図表2参照)の条件を満たしていると会社が判断した場合に要介護状態にあたります。

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