エルダー15特集介護離職防止に向けて図表1 両立支援制度策定の手順目的の検討・決定現状把握ニーズの把握介護施策等の方向性の決定支援策の検討・決定ニーズとのマッチング支援策決定支援策の策定作業実施PDCAで考える・実際の介護経験者・全員…介護での不安 今後の介護の可能性・現状の職場満足度「情報提供」「環境整備」「勤務支援」※ 筆者作成解説解説22はじめに11従前から仕事と介護の両立のためにさまざまな支援策に取り組んでいる企業はありますが、近年の企業を取り巻く環境の変化は仕事と介護の両立にも影響を与えています。従前では一部の企業にかぎられていたテレワークやフレックスタイム制などの働き方は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により外出自粛や密集を避けるなどのために、多くの会社にとって身近となりました。また、いままで以上に人材の確保の重要性が増してきました。新型コロナウイルス感染症が収束し経済活動が活発になったことで人手不足が顕著となり、人材獲得の競争が激化しています。最低賃金や初任給などをはじめとする賃金の引上げなども起こり、人材の流動化も顕著になっています。このようななかで求職者はワーク・ライフ・バランスの実現や働きやすい職場を求める傾向も強くなっており、いままで以上に介護する従業員の離職を防止し、介護する従業員にとっても働きやすい環境づくりをすることが求められています。また、2025(令和7)年4月の育児・介護休業法の改正では、介護離職の防止のために制度利用の促進や情報提供などの運用面に重点が置かれています。その点からみても仕事と介護の両立は、制度を利用しやすくすること、事前の準備をすることが重要だということがわかります。両立支援制度の策定手順22仕事と介護の両立支援策の策定は図表1のよ仕事と介護の両立支援制度の策定・運用のポイント社会保険労務士事務所あおぞらコンサルティング 特定社会保険労務士 池いけ田だ直なお子こ
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