2025.636はじめにはじめに1日本では、少子化高齢化が進むなかで、働く期間がどんどん長くなっています。70歳まで働くことが企業の努力義務になったり、健康で長生きを目ざす動きが広がったり。そんな時代だからこそ、歳を重ねることで少しずつ変わる心と体に、早め早めに準備をしておくことが大切です。これからの私たちにとって特に気になるのは、加齢とともに増える病気のリスク。女性の場合特に、ホルモンの変化(エストロゲンやプロゲステロンの減少)によって、特定の病気を引き起こしやすくなります。骨粗しょう症、心血管疾患、乳がん、アルツハイマー病、2型糖尿病といった病気も、毎日の生活習慣を見直したり、医療の力をうまく取り入れたりすれば、リスクを大きく減らせることがわかっています。女性の健康課題に対する意識を持ち、早いうちから対策を始めましょう。企業も、健康な状態を維持できるよう、相談窓口や情報提供を整えつつあります。でも、まずは自分の体は自分で知ること、自分の体は自※1 内閣府「令和4年版高齢社会白書」および厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)」をもとに推計★ 本連載の第1回から最終回まで、当機構(JEED)ホームページでまとめてお読みいただけます https://www.jeed.go.jp/elderly/data/elder/series.html分で守ることが大切です。加齢による病気や女性特有の健康の変化についてあらかじめ学んでおけば、未来の健康リスクが減り、ご自身が望む人生に近い人生を過ごせる可能性が高くなるでしょう。加齢において加齢において気をつけたい病気と対策気をつけたい病気と対策2歳を重ねると、だれでも体の変化を感じるものです。男女共通でリスクが上がる病気と、すぐに始められる対策方法をご紹介します。無理なく、できることから始めてみましょう。①心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)→心臓と血管をいたわりたい厚生労働省によると※1、65歳以上の心疾患による死亡率は全体の約3倍と高く、血管が硬くなったり(動脈硬化)、血圧が上がったり(高 高齢従業員が安心・安全に働ける職場環境を整備していくうえでは、加齢による身体機能の変化などによる労働災害の発生や健康上のリスクを無視することはできません。そこで本連載では、加齢により身体機能がどう変化し、どんなリスクが生じるのか、 毎回テーマを定め、専門家に解説していただきます。最終回のテーマは「加齢と疾病」です。身体機能身体機能のの変化変化安全・健康対策安全・健康対策とと株式会社はるうらら 代表/日本医師会認定産業医/産婦人科専門医 高たか尾お 美み穂ほ加齢と疾病最終回加齢 による
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