2025.638④骨粗しょう症→骨を強く、しなやかに骨粗しょう症は、骨密度の低下と骨質の劣化により骨折リスクが高まる疾患です。骨密度は加齢によって毎年1〜2%減少し、日本骨粗鬆症学会によると※570歳代の女性で約3人に1人(約33%)、60歳代で約5人に1人(約20%)が骨粗しょう症に罹患しています。女性においては、閉経後のエストロゲン減少が骨吸収を加速させ、骨形成が追いつかなくなります。エストロゲンは破骨細胞の活性を抑制するため、その欠乏が骨量減少を促進します。国際骨粗鬆症財団(IOF)によると※6、50歳以上の女性の3人に1人が骨折を経験します。転倒などによる骨折は生活の質を落とすだけでなく、特に大腿骨近位部骨折において、1年以内の死亡率は20〜24%と高いことも知られています。まずは骨密度の計測により、現状を把握することがとても大切です。骨はあなたの「体の柱」です。カルシウムと運動で、いつまでもしっかり立ったり歩いたりできる体を維持しましょう。【生活においてできる対策】●カルシウム 1日650〜800mgを、牛乳など乳製品や小魚から摂取しましょう。●ビタミンD カルシウムを骨に吸収させるビタミンDにおいて、日本人の平均摂取量は推奨量に達しないことが多い※7ため、日光浴やサプリメントを活用し、ビタミンDを1日15〜20μg摂取することが望ましいとされています。これらにより骨密度低下を抑制できるとされています。●運動 週2回程度の筋力トレーニングによって、骨密度低下を抑制することが可能であり、週に3回程度の重量負荷運動(ウォーキング、軽いウェイトトレーニングなど)は骨密度を1〜2%増加させます。運動習慣は骨に対して有効です。●医学的なサポート 整形外科ではビスホスホネート(アレンドロネートなど)の薬剤が選択肢としてあげられ、骨吸収を抑制し、大腿骨骨折リスクが約50%低減します。女性において、閉経後早期にホルモン補充療法(HRT)を開始することで骨密度を維持でき、適切な介入によって骨折リスクを3〜5割減らせます。⑤認知症→頭をすっきりと保つ厚生労働省の推計※8では、65歳以上の約20%きます。まずは「1日1本減らす」から始めましょう。タバコを吸わない方は、受動喫煙を避けることを意識しましょう。●お酒 禁酒がおすすめですが、まずはビールなら1日600ml、日本酒なら1合程度までに抑えましょう。 アルコール摂取量が多いと、発がんリスクが上がる一方で、アルコール摂取量を抑えることは乳がん発症リスクが下がることが知られています。●検診 早期発見のためのスクリーニングとして、年に一度、肺がん、大腸がん、胃がんの検診を受けましょう。乳がんについては2年ごとのマンモグラフィでの検診と、月1度のセルフチェックを習慣にしましょう。セルフチェックはお風呂や寝る前など、リラックスしているときがおすすめです。 しこりや皮膚の変化、痛みなど、いつもと違うことがあれば、乳腺外科を受診しましょう。●生活習慣 体重管理はとても重要です。BMIを25未満に維持すると、閉経後乳がんリスクが低下します。※5 一般社団法人骨粗鬆症学会「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版」※6 InternationalOsteoporosisFoundation「Facts&Statistics」(https://www.osteoporosis.foundation/facts-statistics)※7 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)『日本人の食事摂取基準』策定検討会報告書」
元のページ ../index.html#40