エルダー39(約700万人)が認知症に罹患し、特に85歳以上では発症率が40%超とされています。また、女性は男性よりアルツハイマー病(AD)の発症率が高く、これはエストロゲン減少によって失う神経保護効果や、遺伝子の影響を強く受けると考えられています。アミロイドβやタウタンパク質の蓄積が脳の機能を障害します。【生活においてできる対策】●睡眠 1日7〜8時間、しっかりと睡眠をとることで脳をリセットしましょう。●脳トレ 週3回以上の記憶力・計算課題、読書、パズルなど脳トレ的な要素を含む頭のエクササイズが、認知症予防に効果的とされています。●運動 週150分の運動で認知機能低下が抑制されるほか、血圧・糖尿病の管理によりAD発症リスクを低下できるため、AD予防としても生活習慣の見直しは大切です。●友人との時間 週1回のおしゃべりや趣味の集まりなど社会への参加で、認知症のリスクは3割減少します。社交的な活動がおすすめです。脳は「ちゃんと使おうと思えば使える」もの。友人との時間やちょっとした脳トレで、いつまでもすっきりとした頭を維持しましょう。⑥身体機能の低下→動ける体を大切に身体機能面においての加齢による変化としては、骨密度の低下が知られていますが、筋肉量も毎年減少していきます。筋力と筋肉量の減少(サルコペニア)は意識的な運動習慣、特に筋力トレーニングで補える一方で、関節機能の変化により慢性的な痛みを経験する女性は少なくありません。変形性関節症の有病率は65歳以上で約半数と報告されており、膝の可動域が低下し、動作が制限され、痛みが生じることで活動量が減少し、肥満や筋肉量減少の原因となり、さらに身体機能の低下を引き起こす、といった負のスパイラルに陥りがちです。仕事を長く続ける時代において、身体機能をある程度の状態に維持することは必須不可欠です。【生活においてできる対策】●筋トレ 週2回の軽い筋トレで、筋力をキープしましょう。ペットボトルを持って腕を動かすだけでも筋トレになります。●関節ケア 毎日ストレッチして、柔軟な膝や股関節を維持しましょう。痛みが続くようであれば整形外科を受診しましょう。●動く習慣 意識的に階段を使ったり、1駅分歩いたり。少しの運動が体と心を元気にしてくれます。体は、意識的に動かすことでちゃんと応えてくれるもの。小さな一歩から、アクティブな毎日をお過ごしください。加齢は「自分を大切にする加齢は「自分を大切にするチャンス」チャンス」3年齢を重ねることは、体の変化との出会いともいえます。でも、心血管疾患、糖尿病、がん、骨粗しょう症、認知症、身体機能の低下、どんな病気も、毎日の小さな習慣と早めのケアで、リスクを多少なりとも減らせるものです。運動、食事、睡眠といった生活習慣、定期的な健康診断やがん検診、そして友人との時間、ご自身の笑顔を大切に、これからの自分のためにできることを見つけてください。これからは特に、自分が「健康の主役」です。今日からできることをまずは一つ、始めてみましょう。※8 厚生労働省「認知症施策の総合的な推進について」(2019年)身体機能身体機能のの変化変化安全・健康対策安全・健康対策とと加齢 による
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