2025.740現在も電装事業部設計開発グループで設計業務と後進の育成をになっています。フルタイム勤務を続けてきましたが、2024年10月からはフレックスタイム制度を活用し、設計業務は在宅で行い、ミーティングがある水曜日のみ出勤しています。「家庭の事情もあり70歳を過ぎたころから退職を意識していましたが、フレックスタイム制度と在宅勤務の活用を会社から提案してもらい、仕事を続けることにしました。水曜日は出勤ですが、みんなに会えることがよいモチベーションになっています」と新保さんは笑顔をみせます。設計開発グループ部長兼品質管理グループ部長の三み山やま正まさ人とさんは、「当社には新保さんの力が必「田代プランナーは、まず当社の状況をよく聞いたうえで助言と提案をしてくださいました。そこから検討を重ねて、定年はそのままですが、基準該当者を70歳まで継続雇用する制度にあらためました。継続雇用後は嘱託社員となり基本的に役職は外れ、一プレイヤーとなりますが、後進の指導役としても期待しています」と制度改定の経緯と内容などを話します。「実際には70歳を過ぎて戦力として活躍している社員もおり、そのうちの1人から家庭の事情のため退職の申し出があったことを機に、2024年に短時間勤務などの柔軟な働き方について、あらためて田代プランナーに相談し、アドバイスをいただきました」(川端管理本部長)そこから70歳超の社員の働き方についても検討を重ね、2024年10月、同社で初めてフレックスタイム制度を導入(在宅勤務も可能)しました。今回は、この制度を活用して勤務を続けている新しん保ぼ康やす文ふみさん(74歳)と、遠えん藤どう幸こう一いちさん(62歳)、お2人の上司である三み山やま正まさ人とさんにお話を聞きました。在宅勤務で仕事の継続が可能に新保康文さんは勤続51年。手描きで図面を作成していた時代から配電盤や制御盤の設計を担当し、管理職も務めました。長年の経験を活かして、ラン社員は、『この人が描いた図面なら間違いない』と周囲から信頼され、若手社員の相談にものってくれています。その力を財産として、維持し続けることが現在の課題の一つです」とベテラン社員の力を語ります。同社は2023(令和5)年8月、それまでの60歳定年、希望者全員65歳までの継続雇用制度を見直し、新たに基準該当者を70歳まで雇用する継続雇用制度を導入。また、制度化はしていませんが、70歳を超えても働ける仕組みづくりも始めています。これらの見直しや取組みは、田代プランナーに相談しながら進めていったといいます。70歳までの継続雇用制度を導入田代プランナーは、2023年に同社を訪問し、社員構成、継続雇用社員の活用状況、賃金水準などをヒアリングしました。「訪問当時は、60歳以上の社員が全体の約14%、50歳以上の社員が約38%を占めていました。継続雇用者は今後増加が予想されたので、高齢社員がその豊富な経験と知識を活かして活き活きと働ける仕組みを助言し、65歳までの定年延長および希望者全員70歳までの継続雇用を提案しました」(田代プランナー)同社常務取締役・管理本部長の川かわ端ばた一かず裕ひろさんは、出勤日の水曜日、社内で設計業務を行う新保康文さん
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