エルダー41要ですので、新保さんから話を聞いて、在宅勤務がよいのではないかと会社に提案して、それがかないました」と満面の笑みで話します。新保さんは、周囲からの「続けてほしい」という言葉と仕事への情熱が原動力となっており、「設計の仕事は一つひとつ異なるので、その都度新鮮な気持ちで向き合えます。安全なものをつくること、クレームのない仕事をすることを心がけて、大好きな仕事を今後も続けられるよう、健康に気をつけたいと思います」と話してくれました。柔軟性と能力向上のため資格取得に挑戦遠藤幸一さんも電装事業部設計開発グループに所属して、配電盤や制御盤の設計と後進の育成をになっています。勤続44年、この道一筋の職業人生です。入社してから1級電気製図技能士、2級電気工事施工管理技士、アナログ第3種工事担任者などの資格を取得。設計開発グループ部長を務め定年を迎えたあと、嘱託社員としてフルタイムで勤務をしています。「定年前と比べて管理の仕事はなくなりましたが、設計業務に関しては以前と変わりはありません。また、管理業務がなくなった分、後輩たちの相談にのりながらサポートを行っています」と遠藤さんは話します。上司の三山さんは「遠藤さんはかつては私の上司でした。いまも支えてくれますし、若手にとっては聞きやすく何でも答えてくれる存在です」と社内で頼りにされている遠藤さんについて語ります。遠藤さんは仕事への思いについて、「当社の製品は地味ながらも重要な役目をになうものですし、設置された装置は数十年にわたって稼働し続けることがやりがいになっています」と明かします。また、「年を取ると頭が固くなるので、少しでもやわらかくするため、資格取得に挑戦しています」と最近もデジタル工事担任者の試験を受けて合格発表を待っているところだと教えてくれました。ともに歩んでいきたい最後に今後の目標について、社長の山﨑さんにうかがうと、「現在、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)※2や生成AIの活用で業務効率化、自動化、省力化に取り組んでいますが、高齢社員の高度な知識と技能は欠かせません。元気に活躍いただけるかぎり、その力を弊社の仕事に活かして、ともに歩んでいきたい。会社と社員、その家族が幸せになることを目ざしてこれからも邁進します」と話してくれました。田代プランナーは、定年後も後進の育成に努めながら設計の仕事に打ち込んでいる新保さん、遠藤さんの働きぶりと、 同社が70歳を超えて働ける環境づくりに取り組んでいることを高く評価し、「継続雇用や70歳超の働き方について課題があれば今後もサポートしていきます」と語りました。(取材・増山美智子)設計業務にあたる遠藤幸一さん。いまも仕事のための資格取得に挑戦している※2 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)…… パソコンなどで行っている事務作業を自動化できる技術三山正人設計開発グループ部長兼品質管理グループ部長
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