2025.82トラスコ中山株式会社 経営管理本部 人事部 部長大谷正人さん人超の従業員が働いています。 高齢者雇用については、2012年に定年を60歳から63歳に延長し、2015年に65歳定年制と70歳までの雇用延長制度、70歳以降は75歳までパートタイム社員として働ける「トラスコライフ延長制度」を導入しました。当社に長く勤務し、業界に精通した社員が継続して働いてくれることは、会社にとってもプラスですし、長く安心して働いてほしいという思いがあります。“気づいたら定年まで勤めていた”、“居心地がよかった”と思えるような会社でありたいと考えています。 経験豊富な高齢社員には、若手社員の指導・育成や、お客さまとの良好な関係の継続といった面での活躍を期待しています。また、間接的な効果として、意欲的に働く高齢社員がいることで若手社員が「この会社で長く働き続けられる」という安心感や将来像が描けるようになれば、という思いもあります。―2025(令和7)年4月からは、定年―貴社では、2015(平成27)年に定年を65歳に延長し、定年後も最長で75歳まで働ける制度を導入するなど、高齢者雇用に積極的に取り組まれています。その背景や高齢社員に期待するものとは何でしょうか。大谷 当社は生産現場で必要とされる作業工具、測定工具、切削工具をはじめとする工場用副資材を扱う機械工具の専門商社です。仕入れ先のメーカーは3663社を数え、国内外96カ所の拠点から機械工具商などのお客さまを通じて、自動車メーカーさまなどの大手製造業をはじめとした多くのユーザーさまに商品を供給しています。企業メッセージとして「がんばれ!! 日本のモノづくり」を掲げ、「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」をモットーにしています。部署は経営管理本部以外に営業本部、デジタル戦略本部のほか、全国28カ所の物流拠点から、自前の配送網で商品をお届けする物流本部などがあり、パートタイマーを含めて3000年齢を68歳、雇用延長制度の上限を72歳、トラスコライフ延長制度の上限を78歳に引き上げました。定年年齢の68歳や雇用上限の78歳というのはほかに類を見ません。大谷 まず大前提として、人手不足や採用難だからという理由で延長をしたわけではありません。いま働いている社員が安心して長く働けるためにはどうすればよいのか、という考え方がベースにあります。2012年に定年を63歳に延長したときは年金支給年齢も考慮し、また60歳を超えても子育て中の社員もいるから、という事情もありました。その時点で65歳まで延長しようという話も出ていましたし、社長の中なか山やま哲てつ也やの「もっと長く働ける仕組みをつくったほうが社員も安心する」という思いもあり、2015年に65歳定年制を導入しました。今回の68歳への定年延長や雇用延長、トラスコライフ延長制度の上限を78歳としたのも、「働く意欲があればいつまでも働く場所を用意しよう」という発想からです。―定年延長をすれば、それにともなって人件費がどれだけ増えるのかを気にする会社も少なくありません。大谷 おつきあいのある会社が一番驚かれるの“気づいたら定年まで勤めていた”と社員が思える会社を目ざして
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