ミドル・シニア世代の“学び直し”について、科学的な見地から解説する連載の3回目。 ミドル・シニア世代の“学び直し”について、科学的な見地から解説する連載の3回目。今回のテーマは「やる気」です。「自分でやりたいと望むことなのに行動に移せない」、「モ今回のテーマは「やる気」です。「自分でやりたいと望むことなのに行動に移せない」、「モチベーションが続かない」と悩む50・60代に向け、実行力を上げる方法や「脳の基礎体力」チベーションが続かない」と悩む50・60代に向け、実行力を上げる方法や「脳の基礎体力」の養い方など、やる気を維持して学びを継続させるためのポイントを、1万人の脳を診断しの養い方など、やる気を維持して学びを継続させるためのポイントを、1万人の脳を診断した脳内科医・医学博士の加藤俊徳先生にお話しいただきました。た脳内科医・医学博士の加藤俊徳先生にお話しいただきました。「やる気」を維持する学び方株式会社脳の学校 代表/加藤プラチナクリニック 院長 加か藤とう俊とし徳のり第3回2025.852「やる気」が出ないのは「やる気」が出ないのは「脳」に原因も「脳」に原因も40代、50代、60代と年齢を重ねてくると、「何かを始めようとしても行動に移せない」、「目標やゴールを決めて勉強を始めても三日坊主になってしまう」という人が増えていきます。こうした実行力の衰えを、体力や気力のせいだと言い訳をする人も少なくないですが、じつは、行動するように指令しているのは「脳」なのです。脳は、初めてのことに挑戦するとき、大量のエネルギーを消費するので、脳のコンディションが整っていないと、最初の一歩をふみ出すのがむずかしくなります。やる気が出ない、やる気が続かないというのは、脳の状態に原因があることがほとんどなのです。運動の前に準備体操をするように、脳を働かせる前には脳の準備運動が必要です。脳科学的な準備運動で、脳の基礎体力を底上げすることを心がけましょう。「「4040代の行動範囲」を代の行動範囲」を維持することが大事維持することが大事社会人になると多くの人が同じような日々をくり返すことになり、脳の中では仕事に関連する部分ばかりが使われることになります。そこで、脳の基礎体力を底上げするためにも、脳の各部分の働きについての理解を深め、ふだんあまり動かしていない部分を意識的に動かすことが大切です。また、50・60代の人は気づかない間に、運動の行動範囲も狭くなりやすく、さらに「自分は年を取ったんだ」という気持ちによって、脳が無意識に悪い方に向きがちになります。しかし私は、脳的に45歳から75歳ぐらいまでは、同じカテゴリーになるべきだと思っています。40代は社会の中枢で重責をになうようになる年代ですが、その40代の脳を30年間維持することは可能だからです。40代の脳を75歳まで維持できないと、人生100年時代を生き抜くための認知能力と体力、すなわち「脳貯金」が足りなくなります。40代の行動半径を落とさないことが、50・60代の「やる気」にとっても非常に重要です。「夜型から朝型」、「夜型から朝型」、「自分へのご褒美」でやる気を維持「自分へのご褒美」でやる気を維持脳は、新しいチャレンジ、抜本的なチャレンジを続けていないと、「億劫」な状態になってしまいます。私がすすめたいのは、30分でも睡眠時間を延ばすチャレンジで、それによって継
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