2025.84額され、最低のC-マイナスになると68%に減額されます。減額されても半年間だけですので、再びBに戻れば30万円になります。それ以外に賞与は年2回支給し、それぞれ月例給の1カ月分を支給しています。もちろん通勤手当、昼食補助手当、残業手当などの各種手当は正社員と同様に支給しています。―定年後の継続雇用では、仕事の内容や働き方は変わるのでしょうか。大谷 勤務場所は基本的に定年前と同じ部署になります。定年前は主力の一員として働いていますが、雇用延長後は後輩の育成やスキルの継承を中心に仕事をしてもらいます。働き方についてはもともと週5日のフルタイム勤務でしたが、週4日で働きたい、短時間で働きたいといったニーズをふまえ、徐々に選択肢を増やしてきました。いまでは本人の希望に応じて、①フルタイム週5日勤務(9時~17時30分)、②フルタイム週4日勤務(9時~19時)、③短日数勤務週4日勤務(9時~17時30分)、④短時間勤務週5日勤務(9時~16時または10時30分~17時30分)――の四つから選択できます。短日数・短時間で働く場合は、基準給も下がることになります。―トラスコライフ延長制度のパートタイマーの働き方はどうなっているのでしょうか。大谷 トラスコライフ延長制度は、73歳に到達した社員が健康などの一定基準を満たした場合に78歳まで継続雇用する制度です。時給制となりますが、業務内容が大きく変わることはありません。雇用延長後の人だけではなく、実際にパートタイマーとして物流センターや各支店で働いている人は1400人以上いますし、働き方はその人の事情に応じて柔軟に対応しています。―高齢社員が増えると健康管理や労働災害対策も重要になります。どのような取組みをされていますか。大谷 人事部のなかにヘルスケア課があり、保健師が2人います。健康診断の定期健診受診率は100%ですが、2次検査受診率が83・8%です。これを100%に高めていくとともに、健康状態を理由に退職せざるを得ない人をなくしていきたいと思っています。労働災害は物流センターで発生することが比較的多いのですが、2年前に物流本部に物流安全推進課を設置し、毎月の安全ミーティングや注意事項をまとめた事例集を作成し、センターごとに安全教育も実施しています。具体的には脚立からの転落事故防止のために「脚立の上から2段目より下で作業する」ことを徹底していますが、できれば脚立を使わないような工夫もしていきたいと考えています。―これまでの高齢者雇用の経験を通じてのアドバイスをお願いします。大谷 やはり健康が一番です。いまの70歳は以前に比べて元気な人がとても多く、十分に働けます。当社としても、社員が70歳になっても健康で元気に働けるよう、社員一人ひとりが自身の健康について自覚し、健康に関するリテラシーを高められるようにうながしています。自覚した社員ほど元気で働いていますし、会社としても長く活躍してもらう場を提供していきたいと考えています。(インタビュー/溝上憲文 撮影/中岡泰博)70歳を超えて働くうえでは社員の「健康」が何よりも重要にトラスコ中山株式会社 経営管理本部 人事部 部長大谷正人さん
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