エルダー2025年8月号
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脳力アップトレーニング!脳力アップトレーニング!働くための2025.864 アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβベータやタウタンパク質などは、睡眠中に排出されることが指摘されています。睡眠時間を十分に取るとともに、原因物質の排出を促進するといわれている、首まわりのストレッチや顔体操を行ったあとに、脳トレに挑戦してみましょう。目標3分第98回ぴったり天秤片側に傾いた天秤があります。右に置かれた重りを「すべて使って」釣り合うようにしてください。※すでに天秤に置かれた重りは動かせません12篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。人システム研究所所長、公立諏訪東京理科大学特任教授。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。計算力を鍛えることによる恩恵今回の脳トレ問題は計算力の向上を目的としています。計算力が向上すると、脳の多様な領域に好影響を与えます。計算は単なる数学的処理にとどまらず、注意力、ワーキングメモリ(作業記憶)、論理的思考力などを総合的に活性化させます。特に前頭前野は、複雑な思考や意思決定、注意の制御をつかさどる部位であり、計算練習をすることで、この領域の血流が増加し、活性化されます。また、計算練習は脳の可か塑そ性せい(変化し適応する力)を高めるとされており、継続的なトレーニングにより認知機能の維持・向上に寄与します。これは子どもだけでなく高齢者にも有効であり、認知症予防や脳の老化抑制の一助としても注目されています。さらに、簡単な計算をくり返すことでも、脳が「集中モード」に切り替わるスイッチとして働き、勉強や仕事などへの導入としても効果的です。したがって、計算力を鍛えることは、単に数学が得意になるだけでなく、脳全体の機能を活性化し、日常生活のさまざまな場面でのパフォーマンス向上につながるのです。【問題の答え】①左:(40)、30、15、15 右:(30)、50、20②左:(20)、50、15、5 右:(10)、40、25、1550503040202515151515510304020

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