エルダー9特集多様で柔軟な勤務制度を整備し、生涯現役で働ける職場づくり図表2 収入を伴う仕事をしている主な理由(性・年代別)(%)出典:内閣府「令和6年度高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)」N収入のため仕事が面白いから自分の知識・能力を生かせるから仕事を通じて友人や仲間を 得ることができるから働くのは体によいから、 老化を防ぐから不明・無回答男 性60~64歳17280.8 3.5 8.1 0.6 4.7 2.3 65~69歳13357.1 3.8 15.8 0.8 18.8 3.8 70~74歳11146.8 6.3 14.4 0.9 27.9 3.6 75歳以上11943.7 1.7 16.0 5.0 30.3 3.4 女 性60~64歳12162.8 4.1 14.9 5.0 8.3 5.0 65~69歳12045.8 4.2 15.8 3.3 25.8 5.0 70~74歳8540.0 10.6 7.1 8.2 28.2 5.9 75歳以上7341.1 8.2 4.1 2.7 31.5 12.3 図表3 要介護者の続柄、年齢(介護者の年齢別)(%)出典:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」をもとに筆者集計N介護者からみた続柄要介護者の年齢配偶者父母または義理の父母その他40~64歳65~69歳70~74歳75~79歳80歳以上60~69歳18,189 18.0 80.2 1.8 2.6 6.8 6.9 2.2 81.5 70~79歳14,148 75.5 20.5 4.1 0.6 4.1 13.8 32.9 48.6 80歳以上8,584 95.4 0.9 3.7 0.2 0.3 0.5 10.4 88.6 9%の企業は、定年制度自体を廃止しています。さらには、定年年齢を引き上げた際に、再雇用制度も同時に設けておくことで、高齢者に複数の働き方の選択肢を提供している企業もあります。筆者がインタビューを行ったある企業では、再雇用制度を選択したほうが定年延長よりも柔軟な働き方が可能になる代わりに、60歳前後で賃金が大幅に低下していました。このように、根幹的な雇用管理制度において、高年齢期はそれ以前よりも多様な選択肢が設けられているといえます。ところで、年齢を基準とする企業の制度が働き方やキャリアを強く規定することは日本では常識ですが、国際的に見ると、これは非常にユニークな制度です。ほかの先進諸国では、年金の支給開始年齢がキャリアや引退時期を強く規定しており、定年制度などの企業の制度はそこまで影響力を持っていません。日本の企業自らが高齢者のために積極的に多様な勤務制度を築いているのは、この独自性があるためです。多様な勤務制度の種類多様な勤務制度の種類3次に、多様な働き方を可能とする具体的な勤
元のページ ../index.html#11