2025.916解説2はじめにはじめに1昨今の人手不足の状況下、シニアに対する多様で柔軟な勤務制度の整備は、重要な雇用施策となっています。なかでも、加齢による体力の低下に対応でき、多様で柔軟な働き方を可能とする在宅勤務制度は、有望な選択肢の一つです。ここでは、在宅勤務制度の概要やメリット・デメリット、制度設計・運用していくうえでの留意点および就業規則の規程例についても解説します。テレワーク(在宅勤務)のテレワーク(在宅勤務)の定義と形態定義と形態2在宅勤務はテレワークの一種です。このテレワークは、英語の「tele=離れた所」と「work=働く」をあわせた造語で、自宅など、会社以外の場所で情報通信機器を活用して働くことをいいます。テレワークは、ICTを利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方であり、子育て世代やシニア世代、病気治療中や障害のある方も含め、一人ひとりのライフステージや生活スタイルに合った多様な働き方を実現するものです。テレワークは、「雇用型」と「非雇用型(自営型)」に分類されます。このうち、企業に雇用されている状態でのテレワーク(雇用型)は、業務を行う場所によって「在宅勤務」、「モバイルワーク」、「施設利用型勤務」の三つに分けられます。①在宅勤務在宅勤務とは、「自宅を就業場所として業務にたずさわるスタイル」のテレワークです。在宅勤務の場合、子育てや家族の介護、急な病気やけがなどでオフィスに行くことが困難な人でも仕事を続けられるため、柔軟な働き方を促進する制度として注目されています。企業によって、すべての労働日を在宅勤務にあてる場合もあれば、週に数日だけテレワークを利用できるといったルールを設けている場合もあります。②モバイルワークモバイルワークとは「施設に依存せず、いつでも、どこでも仕事が可能な働き方」のことです。モバイルワークの例としては、カフェでの仕事や新幹線で移動中に仕事をすることなどがあげられます。③施設利用型勤務施設利用型勤務とは「サテライトオフィス、テレワークセンター、スポットオフィスなどを在宅勤務制度の設計・運用と留意点在宅勤務制度の設計・運用と留意点株式会社田代コンサルティング 田た代しろ英えい治じ
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