エルダー39知ることで、復職をぼんやり考え始めたときから、次に取るべき手続きを念頭に置き、本人はあらかじめ備えることができます。例えば、入院中に退院後の生活指導をたずねたり、主治医に仕事に戻る時期を相談したり、診断書が必要なことを伝えるなどの行動につながります。情報提供とあわせて、今後の連絡のタイミングについて相談しておくとよいでしょう。治療方針が立ったり、治療の目途がついたり、退院した場合、もしくは1カ月に1度は本人から会社に連絡をもらうなどをあらかじめ決めておきます。3休業が必要な期間に関する情報をできる範囲で収集するがんと診断された従業員から治療の報告を受けた際、休業した場合の業務の引継ぎや人員の補充の検討などのために、休業期間や治療の基本的な流れは知りたいものです。休業する期間が1カ月なのか、6カ月なのかで、人員の補充などの検討に影響を与えるでしょう。しかし、休業する期間に影響を与える治療方針や治療計画は、明確に初めから決まることは少なく、検査結果や副作用の出現に応じて適宜変更されるのが一般的です。そのため、入院期間や休業期間を医師に「正しく教えてください」とたずねても、医師は断言できないことがほとん4復職を検討する時期は医療機関との連携を従業員が治療を終える、もしくは治療を継続しながらも、復職を検討する段階に入ったら、職場は医療機関と連携し、従業員の状況を正確に把握することが重要です。この連携のツールとなるのが「勤務情報提供書」と「主治医意見書」です。どです。そこで、患者である従業員には、医師に対して「同じ治療を受ける人は、一般的にどの程度入院するか」、「おおよそどのくらいの期間、仕事を休む必要があるか」などの聞き方で確認してもらうようお願いしてみるとよいでしょう。また、得られた情報も、変更がありうることを理解して、欠員への対応をするように、直属の上司にお伝えください。※厚生労働省「治療と仕事の両立支援ナビ」の様式例をもとに筆者作成図表1 勤務情報提供書と記載例勤務情報を主治医に提供する際の様式例(主治医所属・氏名) 先生 今後の就業継続の可否、業務の内容について職場で配慮したほうがよいことなどについて、先生にご意見をいただくための従業員の勤務に関する情報です。 どうぞよろしくお願い申し上げます。上記内容を確認しました。従業員氏名Aさん生年月日 ●年 ●月 ●日住所●●●市 ●● ●‐●職 種※事務職、自動車の運転手、建設作業員など職務内容(作業場所・作業内容) 倉庫作業 フォークリフト運転 冷凍倉庫での作業もあり□体を使う作業(重作業) □体を使う作業(軽作業) □長時間立位□暑熱場所での作業 □寒冷場所での作業 □高所作業□車の運転 □機械の運転・操作 □対人業務□遠隔地出張(国内) □海外出張 □単身赴任勤務形態□常昼勤務 □二交替勤務 □三交替勤務 □その他( )勤務時間8時30分~17時30分(休憩 1 時間。週 5 日間。)(時間外・休日労働の状況: )(国内・海外出張の状況: なし )通勤方法通勤時間□徒歩 □公共交通機関(着座可能) □公共交通機関(着座不可能)□自動車 □その他( )通勤時間:( )分休業可能期間 ● 年 ● 月 ● 日まで( 日間)(給与支給 □有り □無し 傷病手当金 66 % )有給休暇日数残 14 日間その他特記事項利用可能な制度□時間単位の年次有給休暇 □傷病休暇・病気休暇 □時差出勤制度□短時間勤務制度 □在宅勤務(テレワーク) □試し出勤制度□その他( )年 月 日 (会社名) 年 月 日 (本人署名)
元のページ ../index.html#41