エルダー2025年9月号
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エルダー3したが、その後見直しを行い、報酬は60歳前の約8割まで引き上げるとともに、評価に応じた昇給や賞与の支給もあり、諸手当も支給する仕組みとしています。選択定年制を導入してからは、正社員のまま働けることをポジティブに受けとめる人が多く、対象者の8割以上が60歳以降も働くことを選択しています。―役職定年と役職定年後の役割についてはいかがでしょうか。安田 原則として60歳で役職定年を迎え、役職定年後はそれまでつちかった経験を活かし、各部署で引き続きご活躍いただいています。そのなかには、次世代育成の役割をになっている方もいます。例えば、二輪・パワープロダクツ事業本部では、新入社員の育成を強化するために「3Joysカレッジ」と呼ぶ研修を含む新入社員の教育プログラムを整備しています。二輪・パワープロダクツ事業本部に配属後、研究開発業務や工場実習による生産業務、販売業務などについて学習する数カ月間のプログラムですが、プログラム開発のプロジェクトで中心的な役割をになったのが元役職者である3人の高齢社員です。いずれも開発、生産、販売の要職を経験したその道のプロです。3年前に開発に着手し、2年前にプログラムがスタートしましたが、現在もプログラムの充実に尽力しています。―2025年6月には、新人事制度の導入にあわせて、一部の社員を対象に、選択定年後に、年齢上限を撤廃した継続雇用制度を導入したとうかがいました。安田 先ほど、原則60歳で役職定年と申し上げましたが、じつは現在のポジションと役割を継続できる「特別任用制度」を2017年より導入・運用しています。例えば、進行中のプロジェクトがあるなど、“いま抜けられては困る”といった会社側のニーズがある場合に経営会議の承認を経て役職を継続できるえ、2017年に65歳までの選択定年制を導入しました。当社の選択定年制は、全員が60歳になる前に定年年齢を本人の希望で選択し、60歳以降も毎年1回、定年時期を変更することができるという仕組みです。個々人の価値観やライフスタイルが異なることをふまえ、定年時期を自分で選べるようにしています。 60歳以降の処遇については、当初は再雇用社員の報酬は60歳定年前の半分程度、昇給もなく、おもな諸手当も適用除外となっていま今夏より一部社員を対象に選択定年後の年齢上限を撤廃した継続雇用制度をスタート

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