エルダー2025年9月号
66/68

脳力アップトレーニング!脳力アップトレーニング!働くための2025.964 今回は集中力のトレーニングです。歳をとると注意力のうち、特に、注意の持続力が低下したり、根気よくやり続ける力が枯渇したりしやすくなります。加えて、視力が落ちると見間違えも増えてしまいます。それでもがんばって、答えを見つけ続けることで、注意の持続力や集中力アップのトレーニングができます。目標4分第99回数字ぷちぷち最初に「1」を探してください。1を見つけたら、1から順番になるべく早く最後まで数字を塗りつぶしましょう。「しっかり見ること」こそが集中力の根源集中力の根源は「しっかり見ること」です。集中力には、脳の「前ぜん頭とう前ぜん野や」という部位が深く関係しています。ここは意志力や判断力、感情のコントロールなどをにない、人間らしさの根幹とも考えられる部分です。さらに、この前頭前野には「前ぜん頭とう眼がん野や」といって眼球のコントロールにかかわり、注意力、集中力の中枢ともいえる部位があります。何かに集中しようとしたとき、気が散ってしまう場合は、まず対象をしっかり見ましょう。また、前頭前野の下側には、「がまん」に関連する部位もあります。注意が続かないとき、ここの活動が落ちています。しっかり見る、見続ける、これは訓練で鍛えられます。ですから、「自分には集中力がない」とあきらめる必要はありません。今回の問題のように、たとえ数分間だけでも目の前の課題に集中することをくり返せば、少しずつ「集中し続ける力」が身についていきます。最初は数分でもかまいません。そこから十数分、数十分と段階的に時間を伸ばしていくのがコツです。篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。人システム研究所所長、公立諏訪東京理科大学特任教授。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。一 言 最後まで数字を塗りつぶすまでに目標時間以上かかった人は、目標時間内に塗りつぶせるように再チャレンジしましょう。193840273745361725164315304121293222044110482926461828353114344724138117126543942233332

元のページ  ../index.html#66

このブックを見る