エルダー2025年10月号
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特集ないセンサーや、消毒をしないとエアーシャワーを通過できず工場に入れない仕組みなど、衛生管理の徹底をうながす設備が導入されている。工場に入室する前には、作業着上のホコリなどを除去する粘着クリーナーの使用方法をイラストつきマニュアルで案内しており、だれもが視覚的に理解できるよう工夫されている。さらに、衛生面および社員の負担軽減の観点から、会社が一括して作業着のクリーニングを実施し管理している。④健康管理同社では社員の健康維持のため、毎年、全社員に対し「健康診断」、「ストレスチェック」、「インフルエンザの予防接種」を実施している。また、筋トレや健康管理、ストレス解消を目的に「トレーニングルーム」を設置、勤務時間以外ならだれでも自由に利用できる。(4)その他の取組みグループ会社であるビオエナジー株式会社は、グループ会社内で働く社員の子どもを対象とした企業主導型保育施設を運営している。保育所の運営により、安心して業務に専念できると子育て中の社員はもとより、一緒に働く社員からも好評である。保育所は職場に隣接しているため、社員は子どもの近くで働き、何かあると内線で確認ができ、社員は安心して働くことができる。また、外国籍の社員のモチベーション向上のために「インドネシア」、「タイ」、「ベトナム」、「ミャンマー」、「カンボジア」の国旗を掲げており、同社のシンボルとなっている。外国籍社員のための支援課を創設し、きめ細やかな対応を行っている。(5)高齢社員の声 Oさん(73歳・女性)は製造工場内において検品作業を担当しており、勤続20年目を迎えた。1日7時間、週5日の勤務を元気にこなしている。「勤続10年目、20年目の節目で長期勤続表彰の記念品をいただきうれしかったです。お昼休みのほかに、午後3時から30分間の休憩時間があり、とても助かっています。長く勤められた秘訣はストレスをためないことでしょうか」Iさん(74歳・女性)は製造工場内で出荷作業や真空パック作業、漬け込み作業などを担当しており、勤続22年目となる。Oさんと同じ勤務時間・日数であり、繁忙期は残業も行う。「ほかの会社と異なり、年齢にかかわらず働き続けることができ、経済的にも助かっています。私たちのような高齢者にやさしい職場なので働きやすく、やりがいもあります。運転免許の更新ができるかぎり、働き続けたいと考えています」(6)今後の課題今後の日本の農業、地域の活性化のために、農家の育成を進めていくことを視野に置いている。農業を志す者を雇用し、スキル・ノウハウを与え、また、土地の購入やその融資においてバックアップを行い、独立を支えていきたいと考える。近年の少子高齢化・人口減少による生産年齢人口の減少をふまえ、若者、高齢者、障害者、外国人という多様な人材の戦力化を進めダイバーシティ経営を実現していくなかで、すべての社員が意見を出し合い支え合っていく企業風土をこれからも目ざしていく。エルダー11令和7年度 高年齢者活躍企業コンテスト真空パック作業を行うIさん(74歳)検品作業を行うOさん(73歳)

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