エルダー2025年10月号
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特集③健康管理の充実2024年に日本健康会議「健康経営Ⓡ(★)優良法人」の認定を受けるなど、全従業員に対し健康維持・増進への意識啓発に取り組んでいる。④安全衛生対策年3回事業所内の安全点検を実施し、危険箇所の早期発見と改善に努めているほか、2カ月に一度発行する社内報において、安全衛生に関する特集記事を掲載し、従業員の安全意識の維持・向上に努めている。また、日常で使用する保護具の改良に努めており、軽量型ヘルメットや最新型のスノースパイクを導入している。⑤環境に配慮した技術の導入温水除草は、高温水を散布することで雑草の根のタンパク質構造を熱変性させ、根本から枯死させる物理的防除法である。化学農薬を一切使用しないため、人体、農作物、家畜への影響がなく、周辺環境に対しても安全性がきわめて高い。また、アルカリイオン電解水を洗浄液として導入し、洗浄後に有害な残留物を残さず、成分は水に戻るため、二度拭きが不要となり作業効率が向上している。人体と環境への負荷が低い持続可能性の高い清掃手法である。(4)その他の取組み福利厚生の充実組織の一体感を醸成するため、忘年会や従業員の家族も参加可能なバーベキュー大会などの社内イベントを定期的に実施し、コミュニケーションの活性化を図っている。また、プロ野球「北海道日本ハムファイターズ」の本拠地であるエスコンフィールドHOKKAIDOの年間シートを法人契約し、希望する従業員を毎月抽選で招待することで、従業員の満足度向上に努めている。(5)高齢従業員の声 長は谷せ川がわ勤つとむさん(72歳)は、1984年4月に入社した社歴41年の大ベテラン。週5日、1日8時間のフルタイム勤務で働いている。入社後にビルクリーニング技能士1級の資格を取得し、複数の現場の立上げを経験。現場の責任者として活躍し、現在は、各現場の見回りおよび後進の指導にあたっている。「若い人の指導を行い、成長する姿を見られるのがうれしいですね。自分自身も新しいシステムに触れるなどして、勉強の日々です。元気なうちは、働き続けたいですね」と話す。杉すぎ原はら修おさむさん(75歳)は、他社を定年退職後、2016年4月より元気事業部会員として登録(9年目)。環境整備事業の主要な現場を任されている。ほかの従業員が将来の目標として杉原さんの名前をあげるほど、明るく元気に勤務している。「自分の体力と身体を動かしていれば、若さを保てます。身体が動けば、いつまででも働きたいです」と話す。(6)今後の課題同社は今後、ロボティクスの導入や運転しやすい車両、ファンつきベストなどをはじめ、使いやすい道具や洗剤の導入、ユニフォームの見直しを行いながら、高齢従業員だけでなく全従業員が働きやすい環境を整備していく方針である。また、時間の縛りなく、従業員が希望する時間帯で仕事ができるよう顧客先と調整を行うなど、より柔軟な働き方の実現を目ざしている。経営理念である地元住民および地元で働く人々にとっての「一親等」の会社として、高齢従業員はもちろん、全世代が働きやすい職場環境の構築に向けた同社の取組みは今後も続く。★ 「健康経営Ⓡ」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。エルダー15令和7年度 高年齢者活躍企業コンテスト杉原修さん(75歳・左)、長谷川勤さん(72歳・右)。株式会社クリーン開発の創業50周年記念企画で掲げた2025年の目標を手にする2人

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