特集42020年に完成した新社屋に社員食堂、スポーツジムを設置。「健康経営Ⓡ(★)優良法人」の認定(主催・日本健康会議)を受けている。Ⅱ企業の沿革・事業内容工場の自動化と省人化に貢献するFA設備の一貫生産を主力事業に、近年は各種プラント施設におけるインフラ事業、金属研削などを行う精密加工事業も展開して成長している。創業時は社員5人での始動だったが、社名に込めた「新しい力で、新しいものづくりに挑戦・成長していく」という企業理念に賛同・共感したメンバーが次々と加わり、いまでは社員数67人に拡大。各分野のプロフェッショナルが集まり、企画、設計、加工、組立、出荷および現地での設備立ち上げまで1社で完結できる体制が整ったという。同社の手がけるFA設備は、国内はもとより海外の工場にも導入されている。Ⅲ高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方新しいものづくりに挑戦するとはいえ、その基本や根本的なものは変わらないとして、創業以来、豊富な知識や経験、高い技術力を持つ高齢者を積極的に採用して事業基盤を築いてきた。産業雇用安定センターをはじめ、ハローワーク、知人の紹介を通じて高齢者を正社員や嘱託社員として採用。さまざまな業界で技と経験をつちかってきたベテランが集まり、さらに、その能力を発揮できる環境を整えてきたことが同社の強みとなっている。成長企業として新卒者など若手が徐々に増える一方で、70代になる社員もおり、会社の成長を支えている高齢社員がより安心・安定して働けるよう、制度や職場環境を改善する必要性を感じるようになり、改善の取組みに着手した。Ⅳ改善の内容(1)制度に関する改善①定年年齢の引上げと継続雇用制度の改定当初は定年年齢を60歳、定年後の継続雇用を65歳までとしていたが、即戦力として、また若手の育成をにない活躍する高齢人材が多い現状をふまえ、2023年7月に定年年齢を65歳に、継続雇用を最長70歳に引き上げた。さらに、本人が希望すれば健康状態などを考慮のうえ、70歳を超えても就業可能であることを就業規則に明記した。定年引上げ前に60歳以上で正社員として採用した社員は、引き続き正社員として雇用し、処遇を維持。また、現在65歳以上の社員のうち2人は、運用により正社員として雇用している。嘱託社員については、本人の希望や業務内容に応じて1週間の勤務日数を個別に選択可能とし、健康面や家庭生活と仕事の両立に配慮した、働きやすい環境を整備した。65歳以上の嘱託社員6人のうち4人は、負担軽減のため週3~4日の短日勤務を選択している。制度改定と働きやすい環境を整えたことにより、働くことに意欲を持つ高齢社員が、より安心し、安定して勤務を続けることができるようになった。なお、定年引上げ前に55~59歳で採用された正社員6人は、今回の制度改定により雇用形態が変わることなく65歳まで安定して勤務できることになった。創業からの9年間で87人の社員を新規採用し、入社日時点で60歳以上であった12人のうち、11人(2025年9月12日現在)が元気に勤務している。②賃金制度・人事評価制度の改善2023年に職能等級および職能給制度を導入し、各人の職務遂行能力に応じて賃金を決定★「健康経営Ⓡ」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。エルダー9令和7年度 高年齢者活躍企業コンテストグローテック株式会社
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